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1987 年度 実績報告書

低比重リポ蛋白(LDL)レセプターの構造変異とコレステロール代謝異常

研究課題

研究課題/領域番号 62480134
研究機関大分医科大学

研究代表者

桑野 信彦  大分医科大学, 医学部・生化学, 教授 (80037431)

研究分担者 島田 達生  大分医科大学, 医学部・解剖学, 助教授 (60136786)
小野 真弓  大分医科大学, 医学部・生化学, 助手 (80128347)
キーワードコレステロール代謝異常 / 体細胞遺伝変異 / 低比重リポ蛋白レセプター不全 / ゴルジ装置
研究概要

哺乳類細胞からコレステロール代謝が異常を示す遺伝変異株を単離し, これをコレステロール代謝疾病のモデル細胞として提唱するために, その変異部位について解析を進めることにした. その結果, 我々はハムスター細胞から単離したモネンシン耐性株とコンパクチン耐性株について,
1.両変異株ともに低比重リポ蛋白(LDL)に対する結合やエンドサイトーシス活性が著明に減少している.
2.LPL存在下に, コレステロール合成が親株に較べて著明に上昇していた.
3.LDLレセプターの合成を, ^<35>Sーメチオニンで標識し, その抗体で沈降させて追跡したところ, 前駆体の分子量は変異株と親株間で差はなかったが, 成熟体の分子量は両変異株で減少していた.
4.ツニカマイシンやOーグリカナーゼ処理などを行い, LDLレセプターに結合するOー糖鎖のいずれが糖鎖不全をおこしているかを調べたところ, 両変異株ともに, そのレセプターのOー糖鎖の不全をひきおこしていることを観察した.
5.モネンシン耐性株およびコンパクチン耐性株のレセプター不全は, 各々, 劣性形質である. 両変異株間で細胞融合を行い, LDLレセプターの構造不全が回復するか否かを調べたが, 回復しなかった.
以上の結果より, 我々が単離した両変異株は, 全く独立に単離したにもかかわらず, LDLレセプターのOー糖鎖不全をひきおこしており, 同じ相補性グループに属していることが判明した. 両変異は, ゴルジ装置の糖鎖修飾過程に影響を与えていることが示唆され, 今後その詳細な解析を進めていく.

  • 研究成果

    (9件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (9件)

  • [文献書誌] Kichinobu Tomita: Journal of Biological Chemistry. 262. 1398-1404 (1987)

  • [文献書誌] Yuichiro Kuratomi: Journal of Cellular Physiology. 130. 51-57 (1987)

  • [文献書誌] Akihiko Yoshimura: Journal of Biological Chemistry. 1987. (13299-13308)

  • [文献書誌] Takashi Yoshida: Biochimica et Biophysica Acta. 921. 575-586 (1987)

  • [文献書誌] Chie Yasutake: Cancer Research. 47. 4894-4899 (1987)

  • [文献書誌] Akihiko Yoshimura: Biochimica et Biophysica Acta. 904. 159-164 (1987)

  • [文献書誌] 桑野信彦: 組織培養. 13. 216-221 (1987)

  • [文献書誌] 桑野信彦: 組織培養. 13. 216-221 (1987)Hibono,Y.,O.Iwahashi:

  • [文献書誌] R.S.Gupta Ed,;Michihiko Kuwano: "Drug-Resistance in Mammalian Cell;Resistance to tunicamycin,compactin,amphotericin B and monensin" CRC Press,N.Y., (1987)

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公開日: 1989-03-30   更新日: 2016-04-21  

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