研究課題/領域番号 |
62480140
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
町並 陸生 東京大学, 医学部(医), 教授 (30010052)
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研究分担者 |
岡 輝明 東京大学, 医学部(医), 助手 (60177029)
森 亘 東京大学, 名誉教授 (40013825)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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キーワード | メラトニン / 抗糖質ステロイドホルモン作用 / 抗高コレステロ-ル血症 |
研究概要 |
1.これまでに私共は、幼若ラットを用いて実験において、メラトニンには、糖質ステロイドホルモンに対して拮抗する作用のあることを見出してきたが、さらにこの現象が成熟ラットを用いた実験においても、メラトニンが糖質ステロイドホルモンに対して拮抗する作用のあることを確認した。即ち、糖質ステロイドホルモンであるデキサメタゾンを大量かつ長期にわたり投与したウイスタ-系雌の8週齢成熟ラットに認められた、体重減少、胸腺や副腎の皮質萎縮、尿糖出現、血糖値、血中インスリン値などの諸変化が、メラトニンを投与することにより、いずれも明かに軽減されるという事実を見出した。 2.以上の諸実験の過程で、メラトニンには脂質代謝に対しても作用を有している可能性が示唆されたので、二種類のラットを用いてメラトニンの脂質代謝に対する作用を調べた。その結果、メラトニンには、高コレステロ-ル血症を抑制する作用のあることが明かとなった。即ち、普通食で飼育していても自然に高コレステロ-ル血症を発症する、遺伝性の自然発生高コレステロ-ル血症ラットを用いた実験において、離乳直後からメラトニンを合せ投与することにより、血中総コレステロ-ル値の著名な減少が見られた。さらに病理組織学的に、遺伝性自然発生高コレステロ-ル血症ラットに見られる脂肪肝の程度が、メラトニン投与により明かに軽減した。さらに、高コレステロ-ル食で飼育したラットにメラトニンを投与したところ、血中総コレステロ-ル値の上昇が明かに抑制された。また血中リポタンパクについては、超低比重リポタンパク及び低比重リポタンパク値の増加、及び高比重リポタンパクの減少がいずれも抑制された。
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