研究課題/領域番号 |
62480145
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研究機関 | 国立衛生試験所 |
研究代表者 |
林 裕造 国立衛生試験所, 病理部, 部長 (40142129)
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研究分担者 |
前川 昭彦 国立衛生試験所, 病理部, 室長 (30106182)
今井田 克己 国立衛生試験所, 病理部, 室長 (90160043)
高橋 道人 国立衛生試験所, 病理部, 室長 (30080005)
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キーワード | 4ーhydroxyaminoquinolinel-oxide / 副腎皮質の加齢性病変 / ACTH / 副腎皮質腫瘍 / peliosis adrenalis |
研究概要 |
雌SDラットに4ーhydroxyaminoquinoline 1-oxid(HAQO)7mg/Kgを1回静注した後、2群に分け、1群に持続性ACTH製剤(ACTH)0.2mg/Kgを、他群に生理食塩水を連日皮下投与しい実験開始後20,30,40週目に屠殺し、副腎について病理組織学的検査を実施した。その結果、HAQO単独投与群では、副腎皮質の加齢性変化であるpeliosis adrenalisが19/30例にみられたが、全経過を通じ腫瘍の発生はなかった。一方、HAQOとACTHの併用群では、皮質腺腫が30週目に3/10例、40週目に4/10例みられたが、peliosis adrenalisについては30週目に屠殺し1例に極めて軽度の発現が認められたのみであった。別に設けたACTH単独投与及び無処置対群には両病変の発生は認められなかった。以上の成績から、HAQOはラットの副腎に対して催腫瘍性と加齢性病変誘発性の両作用を示すこと、及び、ACTHは催腫瘍性に対しては促進的に、加齢性病変の発現に対しては抑制的に作用することが確認された。なお、peliosis adrenalisの病理発生機序として、従来より、皮質実質細胞の変性あるいは血管内皮細胞の変化が挙げられていたが、今回の研究結果から、皮質実質細胞の変性が主体となっている可能性が示唆された。
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