研究概要 |
本年度については, 概ね予定通りに研究が進行した. (1)ニューモシスチス・カリニーのDNA診断 ニューモシスチス・カリニーをヌードラットに経鼻感染させ, 増殖させた. 感染肺をPBSでホモジナイズし, コラゲナーゼ処理, デタージェント処理でシストを精製した. 10^9のシストを1.5mgのlysozyme,1%SDS,80ugのproteinaseーKで可溶化後, phenol抽出によりDNAを得た. これをPstlで切断し, PUCー118ベクターに組み込んだ. プラスミドを大腸菌で増殖させ, 複数のクローンを得た. これらのうち, B12からは3.2kbのプローブが回収されたが,これを^<35>Sラベルし, ドットブロットで調べたところ, カリニー感染肺より抽出したDNAとは特異的に反応するが, 非感染肺とは反応を示さなかった. 以上より, カリニー特異プローブと考えられた. (2)マレー糸状虫の診断を目的としたりコンビナント抗原の作製 スナネズミを宿主, トーゴーヤブ蚊を中間宿主とする系でマレー糸状虫を増殖させ, 10^8のミクロフィラリアを得た. これを超音波処理, sarcosyl,proteinaseーK処理後,phenol:chloroform抽出によってDNAを回収し,常法でλgt llに組み込み,genomic libraryを作製した. この段階でおよそ10^4クローンの組み込みプラスミドが確認された. このライブラリーを大腸菌で発現させ, マレー糸状虫にたいするモロクローナル抗体で抗原エピトープの発現の有無を検索中である. また同時にR,Nase処理後,超遠心分離で精製したDNAを材料として, より良いライブラリーを作製中である.
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