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1989 年度 実績報告書

亜急性硬化性全脳炎(SSPE)ウイルスの遺伝子解析と持続感染機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 62480157
研究機関東京大学

研究代表者

山内 一也  東京大学, 医科学研究所, 教授 (30072888)

研究分担者 吉川 泰弘  東京大学, 医科学研究所, 助教授 (80109975)
キーワードSSPEウイルス / 神経毒 / 麻疹ウイルス / 持続感染 / 遺伝子解析 / ブンガロトキシン / HA蛋白 / アセチルコリンレセプタ-
研究概要

1)SSPEウイルス山形1株F遺伝子の全塩基配列を決定した。麻疹ウイルスとのホモロジ-は他の遺伝子同様に98%と高かったが、アミノ酸コ-ド領域のC末端例に一塩基欠捐があるため、フレ-ムが変わってしまい、15アミノ酸短くなっている。この変異は他のグル-プで最近報告されたSSPEウイルスにも共通に起こっており、持続感染と関連する変異の可能性があり、興味深い。今後合成ペプチド抗体などを用いて解析していく予定である。
2)麻疹ウイルス、SSPEウイルスでよく保存されているHA蛋白C末端部が、長鎖神経毒のニコチン性アセチルコリンレセプタ-と結合する活性部位のアミノ酸配列と相同性が高いことがコンピュ-タ-解析より示唆されたので、両蛋白の立体構造的類似性について調べた。その結果抗HA抗体はELISA法によりα-ブンガロトキシンと反応すること、HA蛋白は抗毒素血清と^<125>I-ブンガロトキシンの反応を競合的に拮抗すること(RIA法),α-ブンガロトキシンのレセプタ-結合部位の合成ペプチド抗体が免疫沈降法(CRIP法)でHA蛋白を沈降させること、SSPE患者がα-ブンガロトキシンに有意に高い抗体をもっていることから、両蛋白に高い相同性があることが確認された。この部位はウイルスの中枢神経系への侵入・伝播・持続感染に重要な役を果たしている可能性が考えられる。
3)SSPEウイルス、麻疹ウイルス野外株、研究室株およびワクチン株について、M蛋白抗原決定基変異の多様性を単特異血清、合成ペプチド抗体を用いて、Western法と免疫組織染色法で調べたところ、麻疹ウイルスワクチン株、研究室株、野外株およびSSPEウイルスのうち感染性粒子産生株ではM蛋白の抗原決定基がよく保存されていたが、麻疹ウイルス脳内感染株、SSPEウイルス欠捐株ではM蛋白の抗原決定基に多様な変異が認められた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Yasuhiro Yoshikawa: "Natural Infection with Canine Distemper Virus in a Japanese Monkey (Macaca fuscata)." Veterinary Microbiology. 20. 193-205 (1989)

  • [文献書誌] 山内一也: "パラミクソウイルス" 最新醫學. 44. 1570-1573 (1989)

  • [文献書誌] Kyoko Tsukiyama: "Development of heat-stable recombinant rinderpest vaccine." Archives of Virology. 107. 225-235 (1989)

  • [文献書誌] Makoto Sugiyama: "Characterization of Monoclonal Antibodies against Four Structural Proteins of Rinderpest Virus." J.gen.Virol.,. 70. 2605-2613 (1989)

  • [文献書誌] Timothy C.Wong: "Generalized and Localized Biased Hypermutation Affecting the Matrix Gene of a Measles Virus Strain That Causes Subacute Sclerosing Panencephalitis" Journal of Virology. 63. 5464-5468 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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