1。我々は、FcεR2がHTLーVーI(+)T細胞株(ED)および好酸球細胞株(EoLー3)に発現していることを発見し、B細胞株(J1J0YE)、単球系細胞株(U937)とあわせ各種細胞株におけるFcεR2の発現調節を比較検討した。その結果、これまでの常識とは異なりU937やEoLー3においてはγ1FNが発現を増強しており、また、IgEや抗FcεR2モノクローナル抗体は、細胞表面でのFcεR2発現を増強するが、U937、J1J0とEにおいては、この発現増強はmRNA量の変化を伴っておらず、主として細胞表面への蓄積を示すと考えられた。一方、EDにおいては抗FcεR2モノクローナル抗体がFcεR2のmRNA発現を増強していることが明らかとなった。また、抗FcεR2モノクローナル抗体を用いたサンドイッチELISA法による、IgE結合因子(可溶性FcεR2)の測定により、FcεR2を発現している細胞はいずれもIsE結合因子を産生放出していることが明らかになった。 2。クローニングされたcDNAを各種ヒト細胞株へ導入することにより得られたリコンビナントIgE結合因子のSDSーpage解析によりIgE結合因子は導入された細胞により異なった大きさのものが出来、さらに、これらサイズの異なったIgE結合因子は、そのIgE産生能にも違いがあることが明らかになった。 3。抗FcεR2モノクローナル抗体(H107)を用いた解析によりヒト末梢血に置けるIgE産生が、この抗体により抑えられ、またある種のBCLL患者細胞や、FcεR2遺伝子導入を行った細胞がH107と第二抗体を用いることにより1Lー2R(Tac)の発現増強をもたらし、今後FcεR2と1Lー2/1Lー2Rシステムの相互関係の解析に興味がもたれる。
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