研究分担者 |
松崎 俊久 東京都老人総合研究所, 疫学部, 部長 (00072968)
宮城 重二 琉球大学, 医学部, 助手 (00117590)
佐藤 弘明 琉球大学, 医学部, 助手 (40101472)
名嘉 幸一 琉球大学, 医学部, 助教授 (90117581)
崎原 盛造 琉球大学, 医学部, 教授 (60045060)
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研究概要 |
本県北部の大宜味村において表題の調査研究を実施した. 本年度の研究は村内存住の65才以上の老人904名を対象に検診による一般健康状況と各種の生理・生化学検査並びに既往歴, 生活習慣, 食生活などの面接聞き取り調査を中心に進められた. 調査結果の概略はおよそ次のごとくである. 1.検診受診率並びに聞き取り調査の参加率は,それぞれ87.2% 89.2%と極めて高く,評価に充分耐え得る成果が得られた. 2.健康度の自己評価については75%の者が健康と答えており,その割合は年令の上昇によっても大きな変化はみられない. また性別では男性に健康と答えた者の割合が多い. 3.ADLの高い者の比率は年令と共に減少はするが,高令になってもかなり高いレベルで機能が保たれている. また年令の上昇に伴う機能の低下は女性より男性が早い. 4.血圧値は必ずしも低値ではないが,Hb値,血清総コレステロール値,HDLコレステロール値は極めて良好な値を保っている. 5.日常生活における食品摂取状況は,ごはん,卵,油脂類,緑黄色野菜類の摂取が比較的多く,逆につけもの,肉類,めん類,いも類,牛乳の摂取量は比較的少ない. 6.記憶力などは年令に上昇につれてかなり低下しているが, 日常生活への基本的適応能力は保たれており,また別居子との交流,近隣との交流も充分に保たれている. 7.90才以上の長寿者群はBreslowらの「7つの健康習慣」の実行率が高い. 次年度はこれらの成果を基に食生活,社会的活動状況,適応力などの面をさらに深く明らかにしていく予定である.
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