研究分担者 |
張 漢佶 東京大学, 医学部(分), 医員
加藤 哲夫 東京大学, 医学部(分), 助手 (70194834)
奥田 俊洋 東京大学, 医学部(分), 助手 (80177170)
高市 憲明 東京大学, 医学部(分), 助手 (00175423)
松永 浩 東京大学, 医学部(分), 助手 (50165841)
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研究概要 |
(1)メサンジウム細胞機能の調節: a)昨年度我々は見出したウシ胎児血清によるメサンジウム細胞の脱分極現象が細胞膜のクロールイオンに対する透過性の亢進によるものであることを明らかにした. この脱分極機構はangiotensin II (AII)による脱分極反応の場合と同様である. b)我々は, メサンジウム細胞の電気生理学的特性の検討を進め,nonーselective cation channel,K channel,Cl channelが存在することを確認した. さらに, これらの channelの生理学的役割を解明する目的で, がこれらのionchannel活性におよぼす影響を検討した. さらに, AII, vasopressin(AVP)投与直後に nonーselective cation channelが一過性に開口し, 後れて(Caーactivated) K channelが開口することを見い出した. nonーselective cation channelは細胞外液 Caイオンの細胞内への流入経路として生理的に重要な役割を果している可能性が強い. c)本年度我々は血小板粗抽出物中に強力なメサンジウム細胞増殖刺激作用を見出し, 現在この因子を精製中である. d)昨年度我々が開発した単一メサンジウム細胞での細胞内 Ca濃度測定法を用い, 心房性抗利尿ホルモンが AII,AVPによる細胞内 Ca濃度上昇に及ぼす影響を検討中である. (2)AVPの腎作用: 昨年度我々は, 細胞外液Cn濃度の上昇によるAVP依存性 cAMP産性の抑制が, adcnylate cyclasc活性を抑制することが知られている GTP 結合蛋白(Gi)を介して行われていることを証明した. 本年度我々は同様の手法を応用し, 髄質集合管における α2ーagonist,髄質ヘンレ上行脚における PGE2 によるAVP依存性 cAMP 産生の抑制作用がいずれも Gi を介したものであることを見出した. (3)細胞増殖因子の尿細管作用: 腎における EGF 産生量に変化を与える可能性のあるモデルとして, 片腎摘出ラットを作成し EGF mRNA レベルの変化を検討中である.
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