研究概要 |
MNSFに対すモノクローナル抗体を作製し, その特性について検討した結果を以下に記す. MNSFに対するモノクローナル抗体の作製 1)腹水より得られた精製MNSFを免疫原とした. BALB/CマウスにMNSF(100μg/body)を2ヵ月で計5回, 完全アジュバントにより免疫し, ミエローマ細胞Sp2/Oと細胞融合をポリエチレングリコール法により行なった. 2)次に1)で得たハイブリドーマのスクリーニングをELISA法により行なった. 特に以後の扱いが簡単なため, IgG抗体産生ハイブリドーマをスクリーニングした. 抗MNSFモノクローナル抗体産生ハイブリドーマを大量に培養し, 培養上清より抗体を精製した. 40%硫安分画後, DFAEーセルロース・クロマトグラフィーにて目的のモノクローナル抗体を得た. 3)精製MNSFのモノクローナル抗体によるエピトープ解析:MNSFをピリジシー酢酸バッファー(0.5M,PH4)にて16Kdおよび24KdーMNSFに解離させたそれぞれに, 桧MNSFモノクローナル抗体(MO6)は反応することが, イムノ・ブロットにより確認された. これから, 15kdーMNSFと24kdーMNSFは互いに共有したエピトープ部位をもっていることが推察される. MNSFをピリジシー酢酸バッファー(0.5M,PH4)にて16Kdおよび24KdーMNSFに解離させたそれぞれに, 桧MNSFモノクローナル抗体(MO6)は反応することが, イムノ・ブロットにより確認された. これから, 15kdーMNSFと24kdーMNSFは互いに共有したエピトープ部位をもっていることが推察される. 4)モノクローナル抗体(MO6)はMNSFの抗体抑制活性を阻止することが明らかになった. これは濃度依存性であり, その活性をほぼ100%抑制した. 5)モノクローナル抗体を利用してアフィニティー・カラムの作製を行ないMNSFの単離・精製を試みた結果, ワンステップで, 純度の高いMNSFが得られた. また, ヒトのConA培養上清(末梢血リンパ球)中にもマウスMNSFと類似したCounterpartが実在することも判明した.
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