研究概要 |
申請者らはこれまで抗HLA, 抗メラノーマ抗体に対するポリクローナルおよびモノクローナル抗イディオタイプ(Id)抗体の解析を行ない報告してきた. この結果を基礎として, 抗Id抗体の各種癌および自己免疫疾患に対する臨床応用への可能性追求を目的とした. すなわち, 申請者らが確立した抗CEA糖鎖モノクローナル抗体5B3および抗腫瘍関連アシアロ糖鎖モノクローナル抗体YK206をKLHと結合させBALB/cマウスに免疫して細胞融合法により抗Idモノクローナル抗体を作製した. また, これら抗Id抗体を利用し, 担癌患者血清中の抗CEA抗体, 抗YH206抗体を検出するdouble determinant immunoassayあるいはinhibition assayを確立した. さらに患者血清パネルを検索し, すでに集積しているCEA, YH206抗原の結果と比較検討し, 抗原陰性ないし低値群で抗体が高頻度に出現している傾向を見い出した. 現在, 自己免疫疾患患者のBcellあるいはイムノグロブリンから自己抗体を精製し, これに対する抗Idモノクローナル抗体を確立し, 交叉反応性Idを認識する抗Id抗体を選択しつつある. 以上の研究は患者血清中抗体の解析に有用であるばかりではなく,自己免疫患や癌に対する治療にも応用可能となる可能性がある.
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