研究課題/領域番号 |
62480192
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
小俣 政男 千葉大学, 医学部, 講師 (90125914)
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研究分担者 |
伊藤 よしみ 千葉大学, 医学部, 助手 (70159929)
今関 文夫 千葉大学, 医学部, 医員
横須賀 収 千葉大学, 医学部, 助手 (90182691)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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キーワード | HEDADNA VIRUS / ウイルス発癌 / 化学発癌 / ウイルスDNA組み込み / HCC |
研究概要 |
アヒルB型肝炎ウイルス(DUCK HEPATITIS B VIRUS-DHBV)の感染から肝発癌までの実験系を確立し、この系において各種発癌剤との相互関係を三年間に渡り検討し以下の結果を得た。 1)DHBV感染アヒルはウイルス感染のみで肝発癌を来たす。発生年次はウイルス感染後三年と、後述する化学剤発癌例に比し、長い年月を要した。これら発癌例においては、その癌細胞に組み込まれたウイルスDNAが高頻度に見い出され、ヒト肝発癌と類似していた。なお、非癌部はアヒルにおいては硬変化を示さなかった。 2)化学発癌剤群では一年目より肝癌発生を見る症例があり、二年目には高頻度となった。 3)DHBV感染群に化学発癌剤を投与した群では高頻度に発癌を見た。なお、これら発癌した癌細胞中での組み込まれたウイルスDNAの検索を行ったが、ウイルスDNAの組み込みは見い出されなかった。なお、化学発癌剤単独群との間に有意な発癌率の差異は認められなかった。 以上の事実より、ウイルス発癌と化学発癌の相互干渉に関しては、ウイルスのDNAの組み込まれた肝細胞に化学発癌剤が働き癌化を促進するという現象は認められなかった。むしろ異った癌化の過程を得て癌発生に至ると考えられる。
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