研究課題/領域番号 |
62480196
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
井上 正規 広島大学, 医学部附属病院・総合診療部, 助教授 (80127612)
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研究分担者 |
白川 敏夫 広島大学, 医学部, 助手 (10187528)
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キーワード | Pepsinogen分泌 / 細胞内free Ca^<2+> / cAMP / diacylglycerol / K^+-channel |
研究概要 |
1.Peosinogen分泌機構解明のための3種の実験系を確立した。 (1)カエル食道の単離pepsinogen分泌腺を用いる実験系 (2)カエル遊離胃体部粘膜を用いる実験系 (3)カエル食道、胃体部よりの単離細胞を用いる実験系 各種agonists、antagonistsおよび細胞内伝達物質の代用としてのTPA(Trifluoperazin)、A23187(calcium ionophore)、DBcAMPのpepsinogen分泌に及ぼす用量依存的かつ経時的観察は主に(1)の実験系により行った。生理的刺激としてpeptidergic、cholinergic、adrenergic刺激が確認され、それぞれ固有の膜receptorを介して刺激伝達が行われることが認められた。細胞内伝達系に関し提唱されているcAMP、free calcium ion(Ca^<2+>)、diacylglyserol(DG)の各系がこのpepsinogen分泌腺にも存在し、それぞれ個別の伝達系を形成していることが示唆された。 3.Pepsinogenと酸分泌との相互関係、およびomeprazoleのpepsinogen分泌刺激作用の解明のための実験は主に(2)の実験系により行った。各種刺激物質(histamine、pentagastrin、bethanechol、DBcAMP)は一様に酸とpepsinogenの分泌を刺激した。酸分泌抑制剤のうちH_2-blocker、atropin、SCN^-は酸、pepsinogenの分泌を共に抑制した。Omeprazoleは酸分泌を抑制したがpepsinogen分泌を増加させた。 4.細胞内Ca^<2+>濃度とpH、細胞膜ion channelの観察は(3)を用いる実験系により行っている。細胞内Ca^<2+>濃度はfura-2の螢光強度の測定により、ion channelの観察はputch clump法により行っている。これらの成績は再現性の検討段階にあるが、bombesin、bethanechol刺激は細胞内Ca^<2+>を増加させた。胃底腺細胞にcAMP感受性K^+-channelが存在した。
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