研究概要 |
これまでガストリンの生成分泌機構を分子生物学レベルで詳細に検討した報告は見られない. 本研究は, ガストリンの生成分泌調節機構を分子生物学レベルで解明しようとするものであり, 本年度は先ず, ガストリンのプロセッシングにおいて, mRNAレベルにおける調節, Postーtranslationalプロセッシングにおける調節機構を解明した. ガストリンmRNAの生体調節は, ガストリン分泌刺激の1つである食事負荷をラットに加え時経的に屠殺, 胃前庭部粘膜におけるガストリンmRNAをG34N端ペンタペプチド及びG17N端ヘキサペプチドに相補するオリゴフクレオドプローベ(Dr.Walsh,UCLA,U.S.Aより提供を受ける)を用いNorthern blotにより解析した. その結果はラットにおいて迷走神経切離後, ガストリンmRNAは胃前庭部粘膜において上昇してくることを認めている. またアクチノマイシンDをラットに前投与し同様に食事負荷を行ない, 摂取後のガストリンmRNAの変動がtranscriptionの変動によるものかmRNAのstabilityによるものか現在, 検討中である. Peptidylーglycine αーamidating monooxigenase(PAM)活性の調節をガストリンC末端ヘキサペプチドにglycineを延長した合成プロガストリンフラグメントを用い, 組織中及び血清中PAM活性を定量した. 定量にはHPLCを用い, アミド化非アミド化ペプチドを分離した. PAM actiratorであるCuイオン, ビタミンCのガストリンのアミド化に及ぼす影響を検討するために, Cu, ビタミンCを摂取あるいは欠乏させたラットを用い組織中, 血清中PAM活性を定量中である.
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