総胆管結禁1週間後と結禁解除1週間後のラット、および、サイトカラシンB、ファイロイシン、催胆汁うつ滞因子投与ラットを対象とし以下の研究を行った。Fey&Penmannの方法を改良したKatsumaらの方法を用い、凍結訳科をwhole mount extraction法で処理し、透過電顕でpericanalicular sheathを中心とした肝細胞細胞骨格を観察した。そして、抗サイトケラチンモノクロナール抗体(PKK1)を用いimmunogold法にて免疫電顕を行い中間径フィラメントの同定を行った。同時にアクチン、ケラチンの免疫蛍光染色も施行した。閉塞性黄疸、ファロイシン投与ラットでは毛細胆管周囲のマイクロフィラメントと共に中間径フィラメント(IF)が増加していた。閉塞性黄疸のラットではpericanalicular shenth(PS)は拡張、肥厚し、かつ届局蛇行も著明であった。また、PSの一部断裂像も認めた。このような所見は閉塞解除1週間後nは消失していた。PSを構成しているフィラメントのほとんどは、免疫電顕によりIFであることが判明した。上記肝内胆汁、催胆汁。うっ滞因子投与群ではマイクロフィラメント、IF共に著変はなく、phillipsの云う"canalicular ileus adynamic type"を示す所見であった。 急速凍結ディープエッチングレプリカ法での観察は個々のフィラメントの解像力が悪く、種々の実験条件の相違による肝細胞細胞骨格病理を明らかにすることが出来なかった。現在、方法論の改良中である。
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