研究課題/領域番号 |
62480206
|
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
山林 一 東海大学, 医学部, 教授 (60055697)
|
研究分担者 |
沓澤 智子 東海大学, 医学部, 助手 (10183310)
塩田 寿美恵 東海大学, 医学部, 講師 (20102840)
山本 正博 東海大学, 医学部, 講師 (80095661)
中澤 博江 東海大学, 医学部, 助教授 (20110885)
|
キーワード | 低酸素状態 / 呼吸不全 / ^<31>P核磁気共鳴法 / 高エネルギー燐酸化合物 / 呼吸不全運動負荷 |
研究概要 |
1.ラットをビニールアイソレーター内で飼育し、酸素濃度を16%から2日に1%づつ低下させ、11%酸素に4週間曝露した。この慢性低酸素曝露群の大腿筋肉の高エネルギー燐酸化合物量を生化学的および^<31>P-MRSで測定した。なお対照として同じ週令のラットを用いた。生化学的測定では、ラット大腿筋肉をフリーズクランプし、ATP、クレアチン燐酸(CP)などの高エネルギー燐酸化合物をルシフェリン・ルシフェラーゼ法で測定した。正常対照群と慢性低酸素曝露群のATP量は、むしろ低酸素曝露群の方が高値であった。^<31>P-MRSでも両者間のスペクトルの差は認められなかった。また正常対照群を11%酸素に30分曝露したが、生化学的測定および^<31>P-MRSには変化が認められなかった。従って、筋肉に関しては、急性低酸素曝露も慢性低酸素曝露もエネルギー代謝は保たれていることと考えられた。今後は測定方法を改良し、肝臓や脳などの他組織や運動などの負荷をかけ、エネルギー代謝の差を検討したい。 2.正常人と慢性呼吸不全患者に等張性の上肢の運動をさせ、前腕筋群の^<31>P-MRSを3分毎に運動前、中、後で連続的に測定した。正常人および患者群のすべてで、運動中に無機燐(Pi)が上昇し、CPが低下した。ATP量にはほとんど変化が認められなかった。今回の実験では運動強度が様々であったので、確定的ではないが、正常人の方が運動時の細胞pHの低下およびP/Piの低下が軽度であった。今後は、測定時間を短縮すること、正常人と患者群で差がでるような運動強度の設定につとめ、運動の耐性や酸素療法の適性度を判定できるようにしたい。
|