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1988 年度 実績報告書

神経成長因子(NGF)合成促進薬物の抗痴呆薬としての応用・開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 62480211
研究機関国立精神・神経センター

研究代表者

古川 昭栄  国立精神・神経センター, 神経研究所・免疫研究部, 室長 (90159129)

研究分担者 西川 徹  国立精神, 神経センター神経研究所・疾病研究第3部, 室長 (00198441)
古川 美子  株式会社ニチレイ研究所(63.4縲?7), 研究員
キーワード神経成長因子 / NGF / 神経栄養因子 / 末梢神経 / 中枢神経 / 脳 / 海馬 / 皮質 / 交感神経 / 神経細胞 / 合成誘導 / 大細胞性コリン作動性神経細胞 / 前脳基底核 / 分化 / ホモカテコール / アルキルカテコール
研究概要

神経成長因子(NGF)は前脳基底核大細胞性コリン作動性神経細胞の分化、生存・機能維持を担っている。この神経路は記憶・学習能に深い関連がありアルツハイマー型痴呆症患者の脳で顕著に障害されている。薬物の末梢投与によって脳内NGFを高めることができれば同じ効果が期待できる。昨年度はマウス脳アストログリア細胞のNGF合成を促進する化合物としてカテコールアミンを見いだし、その誘導体であるアルキルカテコールに強い活性を見いだした。今年度はこれらの化合物が生体系でNGF合成を促進するかどうかを検討した。
1)末梢神経系でのNGF合成誘導:ラットの腹腔内にホモカテコール、プロピルカテコール、アセチルプロピルカテコールを投与したラットの心臓、顎下腺では5-15倍ものNGF量の増加が認められた。
2)誘導されたNGFの輸送過程の証明:腹腔内に1回だけホモカテコールを投与したところ、末梢臓器、座骨神経、交感神経節へと、NGFレベルの上昇は末梢側から中枢側へと経時的に変化した。即ち、合成誘導されたNGFは生理的NGFと同じルートで生体内を運ばれることがわかった。
3)脳でのNGF合成誘導:アセチルプロピルカテコールをラット腹内に投与すると、海馬、梨状葉内嗅領皮質、中隔など、大細胞性コリン作動性神経細胞の投射部位、細胞体存在部位でNGFレベルが約2倍に高まった。
以上の結果は薬物の末梢投与によって、脳を含む生体内NGF合成を促進できることを示しており、将来の疾患治療薬として応用できる可能性が高まった。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Furukawa,Y.;Tomioka,N.;Sato,W.;Hayashi,K.;Furukawa,S.: FEBS Lett.

  • [文献書誌] Furukawa,Y.;Tomioka,N.;Sato,W.;Hayashi,K./Furukawa,S.: Biochem.Pharmacol.

  • [文献書誌] Ikegami,R.;Kaechi,K.;Furukawa,Y.;Furukawa,S.: Biochem.Biophys.Res.Commun.

  • [文献書誌] Kaechi,K.;Furukawa,Y.;Ikegami,R.;Omae,F.;Hayashi,K.;Furukawa,S.: Manuscript.

  • [文献書誌] Nishio,T.;Furukawa,S.: Manuscript.

  • [文献書誌] Furukawa,Y.;Omae,F.;Hayashi,K.;Furukawa,S.: Manuscript.

  • [文献書誌] 古川美子、古川昭栄: "アルツハイマー型老年痴呆症(最新の知識)-神経栄養因子-" 藤田企画出版, 21 (1988)

  • [文献書誌] 古川美子、古川昭栄: "老人性痴呆症と脳機能改善薬-NGFおよび神経栄養因子-" シーエムシー, 19 (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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