研究課題/領域番号 |
62480220
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
梶谷 文彦 川崎医科大学, 医用工学, 教授 (70029114)
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研究分担者 |
柳沼 淑夫 自治医科大学, 循環器内科, 教授 (00048985)
三戸 恵一郎 川崎医療短期大学, 助教授 (40078027)
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医用工学, 講師 (10152365)
辻岡 克彦 川崎医科大学, 医用工学, 助教授 (30163801)
藤原 巍 川崎医科大学, 心臓外科, 教授 (90090224)
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キーワード | 心筋内血流 / 微小循環 / 光ファイバ型レーザドプラ血流計 / 高周波パルスドプラ超音波血流計 / 心筋内容量血管 |
研究概要 |
本研究の目的は、心筋内容量血管の冠循環調節における意義を明らかにし、その障害の病態生理を、動物実験および臨床例で解明することである。そのため動物実験では、研究代表者らが世界で最初に開発した光ファイバ型レーザドプラ血流計を用いて心筋微小循環系へのinflow部位およびoutflow部位の微小冠動静脈血流を、冠流入を制御しつつ、計測した。一方、臨床例では、これも研究代表者らが開発したフーリエ機能を備えた20MHz80チャネル超音波血流計で、心臓カテーテル時あるいは心臓手術時に、冠動静脈血流を計測した。同時に、装置面の前進として、デュアルコア光ファイバ型レーザドプラ血流計を開発するとともに、20MHz超音波ドプラカテーテルの計測精度の検討を行った。 その結果、デュアルコア光ファイバ型レーザドプラ血流計の試作に成功し、コア径、コア間隔の最適化を達成した。デュアルコア・システムは、サンプルボリウムを光ファイバ先端より離れた小さな領域に限定できるため、光ファイバより遠ざかる流れや乱れのある流れの計測に際して、シングルコア・システムより有利であることが明らかとなった。一方、20MHz超音波ドプラカテーテルの精度を検討し、カテーテル自体が血流を乱すことや信号処理上の問題などにより、計測された血流速が真の血流速と比例関係にはあるが、絶対流速の計測は困難であることが明らかとなった。動物実験の結果、心筋内容量血管に貯溜する血流量の増大が、心筋流入血管抵抗を増大させることとけつえきのレオデカルな性質が、心筋内冠血流の抵抗のみならず、有効下流圧にも影響することが明らかとなった。臨床研究では、ヒト圧負荷肥大心における冠動脈血流の拍動特性が、収縮期の著明な逆流出現と拡張期血流の立ち上がり速度の減少により特徴付けられることを明らかにした。これは、肥大心筋と心筋内微小血管系の相互作用により出現すると考えられた。
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