研究分担者 |
根来 民子 名古屋大学, 医学部, 助手 (40172754)
前原 光夫 名古屋大学, 医学部, 助手 (10192329)
水谷 直樹 名古屋大学, 医学部, 助手 (10115636)
森島 恒雄 名古屋大学, 医学部, 講師 (90157892)
慶野 宏臣 愛知県心身障害者コロニー, 発達障害研究所周生期, 室長 (30090426)
|
研究概要 |
周生期における中枢神経障害の成因・治療・予防法について多面的な研究を進めており以下に研究の今年度の進展の概要を記す. 1.高ビリルビン血症による核黄疸の予防については, 肝Hemo Oxygenase阻害剤であるTin-Protoporphyrin Gunn-ratの高ビリルビン血症を改善し, 核黄疸の発症を予防できることが分かった. 現在, そのメカニズムを検討中. 2.新生児期脳波による低酸素性虚血性脳症の予後の判定について検討し受胎後週齢による変化を加味し, 背景脳波の異常の程度により, 予後が判定しうることを明らかにした. 又, ポリグラフ, EEGトポグラフィーなどによる多面的な予後の追跡調査も開始している. 神経生化学的には, NSE, S100蛋白, 及び神経ペプチドの予定系を確立し, 生理学的検査と同時に, 予後判利のモニタリングシステムの一部として測定を開始している. 3.ウイルスの胎内感染による中枢神経系障害のメカニズムについては, サイトメガロウイルス持続感染系を各神経系細胞で樹立できた. 又, サザンブロット法によるサイドメガロウイルスDNAの検出し, 各臓器, 感染細胞レベルでのウイルス核酸の存在様式の検討が可能となった. 4.Menkes Kinky hair病の動物モデル(menkes mouse)を用いた解析については, 実験準備が完了し, 脳をふくめた各種臓器の銅のとりこみ, metollo-thioneinの分離精製などを行ない代謝性疾患における脳障害のメカニズムの検討が進んでいる. 以上, 周生期脳障害の成因・治療・予防の多面的検討は, それぞれの分野で, ほぼ予定通り進行していると思われる.
|