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1989 年度 実績報告書

発育期損傷脳におけるニュ-ロンの可塑性に関する実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 62480227
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

島田 司巳  滋賀医科大学, 医学部, 教授 (00079873)

研究分担者 山本 尚  滋賀医科大学, 医学部, 助手 (20174807)
大野 雅樹  滋賀医科大学, 医学部, 助手 (50194254)
キーワード発育期脳障害 / ニュ-ロンの可塑性 / 皮質脊髄路 / 軸索発達
研究概要

過去2年間の研究において、新生仔期にラットの右大脳皮質を広範に電気焼灼した場合には、左側大脳皮質から同側性の皮質脊髄路が可塑的に形成されてくるが、生後56日目のラットでは右大脳皮質を切除しても同側性の皮質脊髄路は形成されないことを明らかにした。平成元年度は、1.発育期の皮質脊髄路が、どの時期頃まで、可塑性を有するかを検索するため、それぞれ生後7、14、28、56日目に右大脳皮質を焼灼切除したのち、処置後2〜3ヶ月目に左大脳皮質知覚運動野にHRPを注射し、延髄の錐体交叉および頸髄の皮質脊髄路を順行性HRP法により観察した。2.さらに、上記の同側性皮質脊髄路の起源を検索するため、生後1日目のラット16匹の右大脳皮質を切除し、述後3、7、10、及び14日目に、Aと同一方法で、延髄の錐体交叉および頸髄の皮質脊髄路を順行性HRP法により観察した。
その結果、1.生後7日目に手術したラットの延髄の錐体交叉部では、生後1日目に手術した群と同程度の同側性皮質脊髄路(HRP陽性)が形成されていた。また、生後14日目手術群、及び28日目手術群でも同側性皮質脊髄路の形成は認められたが、その程度は手術日齢とともに著明に減少し、生後56日目手術群ではもはやその形成は認められなかった。2.生後1日目に右側大脳皮質を焼灼切除し、術後経日的に、順行性HRP法により非交叉性同側性皮質脊髄路の形成を検索したところ、術後7日目より、延髄錐体交叉部で交叉しない同側性皮質脊髄路が認められるようになり、術後10日目及び14日目ではその数がさらに増加していた。この結果は同側性皮質脊髄路が左側皮質ニュ-ロンの軸索の可塑的な伸展、分枝によることを示す。
以上の結果、大脳皮質損傷後のニュ-ロン軸索の可塑性は離乳期頃まで見られるが、幼若なほど旺盛であることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Morimi Shimada: "Congenital Anomalies of Central Nervous System and Neuronal Plasticity." Congenital Anomalies. 29. 31-40 (1989)

  • [文献書誌] Satoru Iwane,Hisaki Kawasaki,Tsunekazu Yamano,Morimi Shimada: "Golgi stuy on the homozygote(M1/M1)of Macular mutant mouse." Brain & Development. 11. 154-160 (1989)

  • [文献書誌] Kyokazu Ono,Morimi Shimada,Tsunekazu Yamano: "Reorganization of the Corticospinal Tract Following Neonatal Unilateral Cortical Ablation in Rats." Brain & Development. 12. (1990)

  • [文献書誌] 西澤嘉四郎,田中和彦,島田司巳: "新生児低酸素性・虚血性脳障害に関する実験的研究I.組織学的変化について" 脳と発達. 22. (1990)

  • [文献書誌] 西澤嘉四郎,田中和彦,島田司巳: "新生児低酸素性・虚血性脳障害に関する実験的研究II.代謝面の変化について" 脳と発達. 22. (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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