研究課題/領域番号 |
62480229
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡田 伸太郎 大阪大学, 医学部, 教授 (30028609)
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研究分担者 |
緑川 光雄 大阪大学, 医学部, 助手 (00200072)
乾 幸治 大阪大学, 医学部, 助手 (90175208)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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キーワード | マイクロインジェクション / 光天性代謝病 / クラッベ病 / モデル動物 / 髄鞘 / 脱髄 |
研究概要 |
光天性代謝病の研究は近年核酸レベルでの解析が盛んに行われているが、病態を研究するためには代謝障害に基づく細胞、組織、器官の異常を追求する必要がある。従来はその目的のために細胞や組織のホモジネ-トを材料とする生化学的研究がなされて来た。しかし、生体ちおける動的代謝をよりよく理解するために、動物モデルを用いた実験が必要であると考えて細胞内極微量注入法(マイクロインジェクション)による研究を計画した。 対象として先天性脂質代謝異常症の一つであるクラッベ病をとり上げて、その動物モデルとしてよく知られたTwi+cher(T)マウスを材料とし、その罹患マウスを生後直ちに酵素診断することより、その生直後から、発症(約10日齢)、死亡(約1カ月)に至るまでの神経系の変化を、髄鞘を中心として観察した。Tマウスはヒトのクラッベ病と同じガラクトシルセラミダ-ゼの欠損を示すが、ヒトよりは末梢神経系の変化が著明である。このため、マウスの脊髄、坐骨神経を短期培養し、その部位の脱髄について、放射性ガラクト-スの糖脂質へのとり込みをまず調べ、その変化が最大となる、いわゆる髄鞘形成期を中心としてし詳しく検討した。 その結果、Tマウスにおいて、ガラクトシルセラミド、ガラクトシルスフィイゴシンはオリゴデンドログリアの細胞活性に応じて合成されていること。髄鞘形成期に一致して合成酵素の活性が上昇すること。しかし、おそらくガラクトシルスフィンゴシンによるオリゴデンドログリアの急激な消滅のために一見がラクトシルセラミドは蓄積しないように見えるが、実際にはグリア細胞数当たりでは蓄積していると考えてよいこと、などが明らかにされた。
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