研究概要 |
本年度研究計画(HLAーC抗原遺伝子領域における本症のRFLPの存在を確認)に沿って行った. 1.対象と方法 (1)対象:HLAーC抗原別に,健康人,尋常性乾癬患者をそれぞれ3〜5例を対象とした. その結果,健康人30例,尋常性乾癬34例で検討した. (2)方法:研究計画に沿い,末梢リンパ球よりDNAを抽出,3種(ECORI,PstI,BamHI)の制限酵素と,5種のプローブを用い,サザンハイブリダイゼージョンを行った. 本法により得られたDNAバンドパターンを,HLAーC抗原別の健康人と尋常性乾癬とで比較し,本症のRFLPの存在の有無を検討した. 2.結果 (1)2つのDNAバンド(BanHI4.5Kb,PsrI3.1Kb)バンドを除き,全例64例のDNAバンドパターンは,HLAーC抗原の特異性にかかわらず差異は認められなかった. (2)BanHI4.5Kbバンドは,乾癬患者の94.1%に,健康人の70.0%存在し,両者間で有意の差が認められた(P<0.05). (3)PsrI3.1Kbのバンドは,乾癬患者の93.9%に,健康人の81.5%に存在し,両者間で差異が認められた. (4)HLLAーCw6またはCw7をもつ乾癬患者では,上記の2つのバンドが全例100%)に存在するにもかかわらず,健康人のそれではそれぞれ33.3%(P<0.0001),26.3%(P<0.001)にそのDNAバンドが欠如していた. 3.まとめ 以上より,本症のHLAーC抗原遺伝子領域において,RFLPが存在する可能性が示唆された.
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