研究分担者 |
鈴木 捷三 東京大学, 医科学研究所, 助手 (30012743)
丹下 剛 東京大学, 医学部, 講師 (10107667)
波利井 清紀 東京大学, 医学部, 助教授 (50111539)
馬嶋 秀行 東京大学, 医学部, 助手 (60165701)
酒井 一夫 東京大学, 医学部, 助手 (40153837)
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研究概要 |
本研究は転移の予防と治療に臨床の場で役に立つような情報を得ることを目的とし, 血行転移の過程は腫瘍細胞の遊出過程と二次巣での着床, 成長増殖に分けられ, 転移の予防と治療には両者とも重要である. 本年は主としてCTCR Assay(生きている腫瘍細胞が血中へ遊出する率を定量する方法)を用い, 下肢に移植された腫瘍にX線又はニュートロンを照射し, 腫瘍細胞の遊出率への影響を解析した. 1)C3H/HeJ自然発生由来のNFSA2ALM1 (線腫), NBS1 (扁平上皮癌) とも線量依 存性に血中への腫瘍細胞の遊出を抑え, 2)ニュートロンの方がX線の3倍程(BBE)の効果があることが分かった. 3)遊出率の低下は1度の照射後1週以上続き, これに相応して自然肺転移も低下することが判明した. 腫瘍の局所照射により転移の誘発は起こらず, 血中への腫瘍細胞の遊出が抑制され肺転移が低下した. 今後, 腫瘍の違いによりどのような照射法 (違った種類の放射線の組合せ及び時間的線量配分, 又は薬剤との併用)がその転移の予防・治療により有効であるかその基礎原理を解明していく計画である. 又, 二次巣(肺)での照射の影響についても研究を進める.
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