研究概要 |
事象関連電位は, 情報処理機能の生理学的指標とされており, 大脳における立体的で動的な機能変化である. 本電位は, これまで主として頭皮上の中心線から記録されていたが, 最近ではトポグラフ的にも検討されるようになった. しかし, 本電位を動的な画像として解析する方法は開発されていない. 本科学研究費の補助金の支給を得た結果, 本電位を映画として画像化することに成功した. その結果を, 昨年の11月, 京都市で開催された日本脳波・筋電図学会学術大学のシンポジウム(小椋), 同じく11月岡山市で開かれた西日本精神神経学会(宮里), においてそれぞれ発表した. 現在, 本法を特許として申請中である. 補助金の使途との関連で本システムの内容を少し述べると, 現有の機器を使用して得られた事象関連電位の等電位図を, 補助金で購入したCRTコントローラー5816(日本電気三栄), プログラム211(日本電気三栄), ビデオデッキ49700(ナショナル)などを用いて, 3.2msec間隔, 呈示時間300msecにてビデオテープに録画することに成功した. 得られた連続画像をカラーCRT上に再生させることができた. 臨床応用として健常者, 精神分裂病者を対象に検討しているが, 本格的な臨床応用は昭和63年度に実施する予定である.
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