研究課題/領域番号 |
62480250
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
日高 秀樹 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (80156603)
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研究分担者 |
小杉 圭右 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (00153544)
原納 優 国立循環器病センター内科, 動脈硬化・代謝部門, 部長 (10028615)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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キーワード | 血中ケトン体 / 糖尿病 / ホルモン作用 / 単離肝細胞 / FFA酸化 / 血中ケトン体自己測定 |
研究概要 |
糖尿病病型と血中ケトン体:私達の開発した方法でインスリン非依存性糖尿病(NIDDM)、インスリン依存性糖尿病(IDDM)多数例において血中ケトン体を測定し、同様な血糖コントロ-ル状態でもIDDMでは血中ケトン体値は高く、ふたつの病型を鑑別しうる判別式を考案した。NIDDMにおいてもインスリン治療を必要とした患者では高い血中ケトン体値を示し、NIDDMにおいても血中ケトン体値はインスリン依存性の指標となり得ることを示した。このNIDDMにおける血中ケトン体の上昇の機序をNIDDMモデルラットの肝細胞を用いて検討し、インスリン依存性の指標であるケトン体代謝のNIDDMにおける異常の機構を明らかとした。ケトン体代謝:糖尿病性昏睡には、血中ケトン体値が著しく増加する糖尿病性ケトアチド-シス(DKA)とその増加は軽度である非ケトン性高浸透圧性昏睡がある。実験的糖尿病ラットに抗利尿ホルモン(ADH)を投与すると血中ケトン体値は低下することから、この病態にインスリン欠乏のみでなくADHがケトン体産生の抑制を介して関与することを明らかとした。このADHの抗ケトン作用はc-kinaseを介した肝におけるケトン体産生、脂肪酸酸化の律速酵素であるカルニチン;パルミチン産転移酵素(CPT)の活性抑制によるものであり、酵素のリン酸化、脱リン酸化による調節が存在することを示した。CPTの阻害剤Emeriamineは、血中ケトン体値を著明に減少させること、また薬剤の臓器特異性は高く治療薬として可能性があることも明らかとした。迅速測定システム:血中3-ヒドロキシ酪酸の簡易測定システムを開発し、小児を含む患者ても正確に測定可能なこと、家庭内血中ケトン体自己測定では、感染症や運動時には血中ケトン体値が血糖値とは関係なく変化することから、このシステムを加えた自己管理がより良い糖尿病コントロ-ルに有用であることを報告した。
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