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1988 年度 実績報告書

分子遺伝学的手法によるIII型高脂血症の発症機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 62480251
研究機関京都大学

研究代表者

中井 義勝  京都大学, 医学部, 講師 (10115892)

キーワードアポ蛋白E / III型高脂血症 / 点突然変異 / DNA増幅 / ポリメラーゼ チェーン反応 / 合成オリゴヌクレオチド / RNAプローブ / 遺伝子型
研究概要

遺伝子工学的手技を用いてアポ蛋白E異常遺伝子保有者の変異部位を明らかにした。また、アポ蛋白Eの変異部位と高脂血症の関係を検討し、アポ蛋白Eの生理活性部位を明確にした。以上の方法によりIII型高脂血症の発症機構を明らかにした。
1.アポ蛋白EmRNAに対する相補性DNA(cDNA)をSP64プラスミッドに組み込ませ、SP6RNAポリメラーゼを使用して、^<32>PラベルしたアポEライボプローブを作製した。
健常人および高脂血症患者の白血球細胞中からDNAを抽出し、制限酵素EcoRIで切断した。このDNAとRNAプローブを用いて、アポEDNAの変異部位を明らかしにした。
2.1の方法では、被験者白血球からDNAを抽出し、これを材料としている。従って試料の量が限定されるため、手技が容易でない。そのため目的領域のDNA増幅をDNAポリメラーゼTaqポリメラーゼを用しいて行った(ポリメラーゼ チェーン反応PCR法)。このPCR法によるDNA増幅と合成オリゴヌクレオチドを用いてアポE遺伝子点突然変異の検出を行った。
アポEイソフォームのE_2型では、526番目の塩基シトシン(C)がチミジン(T)に点突然変異していることが明らかとなった。そのため158番目のアミノ酸アルギニンがシステインに変化しているものと推定された。このためE┣D22型では、アポE受容体との結合が低下し、βーVLDLを生じやすくなるものと思われる。
今後は、PCR法によってDNA増幅を行い、これを直接シークエンスすることにより、未知のアポE遺伝子点突然変異を明らかにすることが可能となり、III型高脂血症のマススクリーニングも可能となる。

  • 研究成果

    (12件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (12件)

  • [文献書誌] 妹尾圭子,中井義勝,塚田俊彦 他: 動脈硬化.

  • [文献書誌] 妹尾圭子,中井義勝,塚田俊彦 他: 動脈硬化.

  • [文献書誌] 妹尾圭子,中井義勝,塚田俊彦 他: 動脈硬化.

  • [文献書誌] K.Senoo;Y.Nakai;T.Tsukada;et al: Atherosclerosis.

  • [文献書誌] Y.Nakai;K.Senoo;H.Kawamura;et al: Atherosclerosis.

  • [文献書誌] Y.Nakai; T.Koh;T.Tsukada;et al: Metabolism.

  • [文献書誌] S.Tsujii;Y.Nakai;J.Fukata;et al: Peptides. 8. 1075-1078 (1987)

  • [文献書誌] S.Tsujii;Y.Nakai;J.Fukata;et al: Endocrinol.Japon.34. 903-909 (1987)

  • [文献書誌] T.Usui;Y.Nakai;T.Tsukada;et al: Mol.Endocrinol.2. 871-875 (1988)

  • [文献書誌] Y.Nakai;T.Tsukada;T.Usui;et al: Prog.in endocrinol.edited by Imura,H.et al. 737-742 (1988)

  • [文献書誌] S.Tsujii;Y.Nakai;H.Takahashi;et al: Brain Res.475. 371-375 (1988)

  • [文献書誌] 中井義勝,辻井悟,深田順一 他: 日本肥満学会. 102-104 (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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