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1988 年度 実績報告書

甲状腺濾胞細胞の分化機能および増殖に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 62480252
研究機関京都大学

研究代表者

森 徹  京都大学, 医学部, 助教授 (40026894)

キーワードFRTLー5 / 細胞融合法による分化形質の誘導 / ヒト甲状腺未合化癌株化細胞 / 甲状腺未合化癌細胞の増殖機構 / IL1ーαの甲状腺分化機能への長期的影響 / FRTLー5とバセドウ病細胞融合による分化機能の変動
研究概要

ラット甲状腺細胞株FRTLー5とバセドウ病甲状腺細胞を融合した。経時的に培養液中のラット及びヒトサイログロブリン(Tg)、T3、T4の濃度を測定した。短期培養においては、ラットTgの産生持続、ヒトTgの6日以隆の増加とT3、T4の12日までの漸増がみられた。6カ月の長期培養では、T3、T4の産生はみられず、ヒトTgも痕跡程度の産生に留まった。ついで、FRTLー5とヒト甲状腺未分化癌細胞株HTC/C3との融合を行なった。ラットTgの産生は、一旦減少したが、6日後より著増した。T3、T4は産生されなかったが、興味深いことにヒトTgが6日以隆明かに産生された。すなはち、当初HTC/C3からの抑制物質によりラットTgが減少するが、FRTLー5の有する分化形質がこれを上回るようになり、その結果非活性状態にあったヒトTgの遺伝子が活性化されると考えられた。
HTC/C3の無血清培養については、種々の増殖因子の単独及び組合せで検討したが、いずれにおいても十分な増殖はみられなかった。10%ウシ胎児血清の添加によって、IGFー1、BGF、TPA等による増殖刺激が確認されたが、IL1ーαは抑制的であった。これらの組合せによる影響については、現在なお検討中である。
マウスに大量のIL1ーαを投与し、甲状腺細胞の増殖及び機能への影響を30日にわたって観察した。投与開始直後から甲状腺機能は著明に低下したが、1週間の投与終了後甲状腺機能には改善傾向がみられた。病理組織学的検討では、投与群の甲状腺に著明な変化はみられなかった。更に、30日後において、下垂体TSH含量の増加と甲状腺のTSH反応性の低下が明らかであった。なお、甲状腺重量においては、著明な変化は認められなかった。現在、経時的変動の詳細について検索を進めており、IL1ーαの甲状腺への影響の全貌を明かにし得ると期待される。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] MIYAMOTO,M,;ET AL.: CANCER RESEARCH.48. 3652-3656 (1988)

  • [文献書誌] SUGAWA,H.;ET AL.: MOLECUL.CELL.ENDOCRINOL.IN PRESS.

  • [文献書誌] MIYAMOTO,M.;ET AL.: J.ENDOCRINOL.INVEST.IN PRESS.

  • [文献書誌] SUGAWA,H.;ET AL.: NATURE,SUBMITTED.

  • [文献書誌] ENOMOTO,T.;ET AL: CANCER,SUBMITTED.

  • [文献書誌] ENOMOTO,T.;ET AL.: UNDER PREPARATION.

  • [文献書誌] MORI.T.;ET AL.: "GROWTH FACTORS OF CULTURED HUMAN THYROID CELLS.IN PROGRESS IN ENDOCRINOLOGY" ELSEVIER PUBLISHERS, 7 (1988)

  • [文献書誌] SUGAWA,H.;ET AL.: "ESTABLISHMENT OF AZAGUANINE RESISTANT CLONES FROM FRTL5 AND THEIR APPLICATION TO HYBRIDIZATION WITH GRAVES THUROID CELLS AND HUMAN FIBROBLAST.THE THYROID." ELSEVIER PUBLISHERS, 4 (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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