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1988 年度 研究成果報告書概要

甲状腺濾胞細胞の分化機能および増殖に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 62480252
研究種目

一般研究(B)

配分区分補助金
研究分野 内分泌・代謝学
研究機関京都大学

研究代表者

森 徹  京都大学, 医学部, 助教授 (40026894)

研究期間 (年度) 1987 – 1988
キーワード甲状腺細胞の増殖と分化機能 / FRTLー5 / TSH / EGF / IGFー1 / TPA / ILー1α / EGFレセプター / 細胞融合 / 甲状腺未分化癌細胞株(HTC@C3) / TGFーα / CSF / PTH様物質 / サイログロブリン / 甲状腺ホルモン
研究概要

ラット機能性甲状腺細胞FRTLー5を用いて、EGFレセプターのEGF結合部位に異常があるが、EGFーRは存在することを明らかにした。また、FRTLー5から8ーazaguanine耐性株を分離し、ヒト細胞と融合した。バセドウ病細胞との融合では、ラットとヒトの分化形質がともに表現された。ヒト線維芽細胞HELとの融合では、甲状腺ホルモンT3、T4が一時的ではあるが産生された。さらに、分化形質を欠く甲状腺未分化癌細胞HTC/C3では、T3、T4の産生はみられなかったが、ヒトサイログロブリン(Tg)が6日以降有意に産生された。
ヒト甲状腺細胞の増殖機構について、各種疾患及び正常部甲状腺細胞を初代培養し、125ーI EGFの結合、EGF及びTSH添加による3ーH thymidine摂取を検討した。正常細胞に比して、分化癌は結合親和性は有意に低値を示し、バセドウ病細胞は親和性、結合部位数ともに低値であった。EGFは正常、癌、良性腫瘍及びバセドウ病のいずれをも増殖的に刺激した。TSHは良性腫瘍のみの増殖を刺激した。親和定数とEGFによる増殖反応の間に有意の逆相関傾向が認められた。癌はこの相関からはずれ、その意義を現在検討中である。
HTC/C3株を樹立しその性状を分析し、更に無血清培養の可能性を検討した。種々の増殖因子単独及び組合せでは増殖がみられず、10%ウシ胎児血清の添加を要した。IGFー1、EGF及びTPAの添加により増殖がみられ、ILー1αは血清による増殖を抑制した。これらの組合せによる影響の意義はなお検討中である。
ILー1αのマウス甲状腺に対する影響を、大量1週間連続投与し30日後に検討した。甲状腺機能は投与中著明に抑制され、終了後回復した。甲状腺の重量、病理組織には著変なかった。30日後、甲状腺のTSHに対する反応性の著明な低下と、下垂体TSH含量の増加が認められた。
以上の成果は、いずれも甲状腺細胞の増殖と分化機能に関する新しい知見であり、今後大きな発展が期待される。

  • 研究成果

    (14件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (14件)

  • [文献書誌] MIYAMOTO,M.,ET AL.: CANCER RESEARCH.48. 3652-3656 (1988)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] SUGAWA,HL.,ET AL.: MOLECUL.CELL.ENDOCRINOL.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] MIYAMOTO,M.,ET AL.: J.ENDOCRINOL.INVEST.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] SUGAWA,H.,ET AL.: NATURE,SUBMITTED.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] ENOMOTO,T.,ET AL.: CANCER,SUBMITTED.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] ENOMOTO,T.,ET AL.: UNDER PREPARATION.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] MORI,T.,ET AL.: "GROWTH FACTORS OF CULTURED HUMAN THYROID CELLS.IN PROGRESS IN ENDOCRINOLOGY" ELSEVIER PUBLISHERS, 7 (1988)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] SUGAWA,H.,ET AL: "ESTABLISHMENT OF AZAGUANINE RESISTANT CLONES FROM FRTL5 AND THEIR APPLICATION TO HYBRIDIZATION WITH GRAVES' THYROID CELLS AND HUMAN FIBROBLAST.THE THYROID." ELSEVIER PUBLISHERS, 4 (1988)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] MIYAMOTO, M., ET AL.: "EPIDERMAL GROWTH FACTOR RECEPTORS ON CULTURED NEOPLASTIC HUMAN THYROID CELLS AND EFFECTS OF EGF AND TSH ON THEIR GROWTH." CANCER RESEARCH. 48. 3652-3656 (1988)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] SUGAWA, H., ET AL.: "ISOLATION AND PROPERTIES OF 8-AZAGUANINE RESISTANT MUTANT CLONES FROM RAT THYROID CELL FRTL-5." MOLECUL. CELL. ENDOCRINOL.,.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] MIYAMOTO, M., ET AL.: "ANALYSIS OF EPIDERMAL GROWTH FACTOR (EGF) RECEPTOR AND EFFECT OF EGF ON THE GROWTH OF CULTURED GRAVES' AND NON NEOPLASTIC HUMAN THYROID CELLS." J. ENDOCRINOL. INVEST.,.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] SUGAWA, H., ET AL.,: "DE NOVO INDUCTION OF DIFFERENTIATED THYROID FUNCTIONS BY CELL HYBRIDIZATION." NATURE,.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] ENOMOTO, T., ET AL.: "ESTABLISHMENT AND PROPERTIES OF SEVERAL CYTOKINE PRODUCING CELL LINE (HTC/C3) FROM A PATIENT WITH UNDIFFERENTIATED GIANT CELL THYROID CANCER." CANCER,.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] MORI, T., ET AL.: GROWTH FACTORS OF CULTURED HUMAN THYROID CELLS. IN PROGRESS IN ENDOCRINOLOGY. ELSEVIER PUBLISHERS, 1063-1069 (1988)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1990-03-20  

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