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1988 年度 実績報告書

I型糖尿病の発症における膵島細胞MHCクラスII抗原の発現

研究課題

研究課題/領域番号 62480253
研究機関大阪大学

研究代表者

花房 俊昭  大阪大学, 医学部, 助手 (60164886)

研究分担者 宮川 潤一郎  大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (00127721)
宮崎 厚  大阪大学, 医学部附属病院, 医員
河野 典夫  大阪大学, 医学部, 講師 (30093412)
垂井 清一郎  大阪大学, 医学部, 教授 (00028341)
キーワードI型糖尿病 / MHCクラスII抗原 / 膵島細胞 / 膵島炎 / 自己免疫 / 成因
研究概要

本年度は、発症早期のI型(インスリン依存型)糖尿病患者において膵生検を施行し、膵島組織の分析を行った。
1.対象は、発症後2〜4カ月のI型糖尿病患者7名で、患者の同意のもとに、腹腔鏡下膵生検を施行した。
2.膵生検に伴う合併症は、全く認められなかった。
3.得られた膵組織を、H-E染色、免疫組織染色、電子顕微鏡において分析した結果、次のような成績が得られた。
(1)膵島数の減少、膵島の萎縮が認められた(全例)。
(2)光顕では膵島への細胞浸潤(膵島炎)は明らかではなかったが、電顕により、1例の膵島にリンパ球の浸潤が確認された。
(3)インスリン含有細胞は、著明に減少(4/7)、あるいは消失(3/7)していた。
(4)グリカゴン含有細胞は全例でよく保たれており、増加している症例も認められた。
(5)MHCクラスI抗原は、7例中4例で膵島細胞および膵島周囲の血管内皮細胞において増強が認められた。
(6)MHCクラスII抗原も、7例中同じ4例で膵島周囲の血管内皮細胞において増強が認められた。
(7)そのうち1例では、膵島細胞自体にMHCクラスII抗原の発現が認められた。各種膵ホルモンとの二重染色の結果、MHCクラスII抗原陽性細胞は、インスリンを含有するβ細胞であることが判明した。
以上の成績により、昨年動物モデルにおいて確認された異常と同じく、I型糖尿病患者膵組織においても、β細胞におけるMHCクラスII抗原の発現をはじめとする多様な異常の存在することが明らかになった。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] T.Hanafusa;et al.: Diabetes. 37. 204-208 (1988)

  • [文献書誌] A.Miyazaki;et al.: Proc.of the Satellite Int.Symp.on Pathogenesis and Treatment of Type II Diabetes Mellitus. 44-48 (1988)

  • [文献書誌] Y.Yamada;et al.: Clin.Endocrinol.29. 29-34 (1988)

  • [文献書誌] T.Hanafusa;et al.: Diab.Nutr.Metab.in press. (1989)

  • [文献書誌] T.Hanafusa;et al.: Folia Endocrinol.Jap.64. 1228-1232 (1988)

  • [文献書誌] 山田研太郎 他: 糖尿病. 30. 453-455 (1987)

  • [文献書誌] S.Tarui;T.Hanafusa: "Frontiers in diabetes research:Lessons from animal diabetes II" John Libbey & Company Ltd., 99-104 (1988)

  • [文献書誌] S.Tarui;T.Hanafusa: "Diabetes annual 4" Elsevier Science Pub., 609-620 (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2017-04-05  

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