研究課題/領域番号 |
62480264
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
溝口 秀昭 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (70049021)
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研究分担者 |
片平 潤一 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00119926)
泉二 登志子 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (00101808)
押味 和夫 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (40089991)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | ヒト巨核球系幹細胞 / エリスロポエチン / インターロイキン3 / インターロイキン4 / インターロイキン5 / インターロイキン6 / 顆粒球マクロファージコロニー刺激因子 / 無巨核球性血小板減少症 |
研究概要 |
我々が本研究の初年度に確立したヒト巨核球コロニーの無血清培養法を用いて、種々造血因子あるいはサイトカインの影響を検討した。その結果、IL-3とGM-CSFに巨核球コロニー刺激因子(Meg-CSF)活性があることを認めた。ただし、GM-CSFの活性はIL-3のそれの約1/3である。また、GM-CSFは低濃度のIL-3と共に加えるとその作用を高めるが、最大刺激濃度のIL-3と共に加えてもそれ以上コロニー数を増加させないので、GM-CSFはIL-3の作用する巨核球系幹細胞の一部に作用すると考えられた。エリスロポエチン(Epo)およびM-CSFは単独添加では巨核球コロニーは形成されないが、IL-3あるいはGM-CSFと共に加えると巨核球コロニーの形成を増加させる。その作用は最大刺激濃度のIL-3あるいはGM-CSFと共に加えても認められる。このことはEPOおよびM-CSFには巨核球増幅因子(Meg-POT)としての作用があることを示している。さらに、EPOをIL-3と共に加えて、コロニー構成巨核球数やそのploidyを測定した。ploidyの測定は血小板糖蛋白Ib/IIIaに対するモノクロナル抗体を用いた免疫学的染色を行った後でDAPI染色でDNAを染め巨核球と同定された細胞のDNA量を顕微分光光度計で測定した。その結果、Epoを添加することによって、IL-3単独添加の場合に比べて、コロニー構成巨核球数も増し、またploidyの多い巨核球も増加した。さらにIL-1の、IL-4、IL-5あるいはIL-6を単独で添加したが巨核球コロニーは形成されず、またIL-3と共に加えてもコロニー数は増加しなかった。したがって、これらのサイトカインにはMeg-CSF活性もMeg-POT活性もないと考えられる。さらにMcDonaldから供与された血小板産生刺激因子(TSF)の作用をみたが、これはわずかにMeg-CSF活性を認め、Meg-POT活性が認められた。さらにこの方法で無巨核球血小板減少症の病態がCD8+リンパ球による巨核球系幹細胞の抑制であることを証明し、シクロスポリンの有効性を証明した。
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