研究課題/領域番号 |
62480265
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
江端 英隆 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (20091564)
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研究分担者 |
山本 哲 旭川医科大学, 医学部, 助手 (50125415)
草野 満夫 旭川医科大学, 医学部, 講師 (70091569)
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キーワード | 前癌肝細胞 / 脾内移植 / 肝再生刺激 / 癌化 |
研究概要 |
2-acethylaminoflucrene(AAF)によるラッド化学発癌の過程で生じるHyperplastic nodule(H.N.)は、前癌病変と目されている。これが肝再生刺激をpromotionとして癌化するか否かを検討するために、0.25%AAF含有飼料30〜40日摂取後に発生したHNをearly phaseのHNと定義し、その性状をFlowcytometryやBrdu染色、H.&E.染色、γ-GPT染色らを用いて組織学的、細胞動態的に把握し、かつ癌でないことを確認した。その上で、このHNをコラーゲナーゼ灌流法で細胞分離し、同系ラット脾内へ移植し、宿主肝に部分肝切除を加えたり、さらには宿主肝再生を化学的に抑制して脾内肝に強い再生刺激を加えた。 移植後3カ月まで経時的に脾臓を摘出し脾内HNを検討した結果、肝切後早期には肝切の程度に相関したDNA合成の亢進と増殖を認め、日数経過とともにHNの増殖力は弱まり、3カ月後では正常肝細胞移植後と同程度になった。組織学的にも始め異型性をもっていたが、3カ月後では全く正常肝移植後と同じ形態となり、hepatomaの出現はみられなかった。 以上により、少なくともearlyphaseのHNは部分肝切除刺激によって癌化しないと結論づけられた。
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