研究課題/領域番号 |
62480273
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
阿部 力哉 福島県立医科大学, 第二外科, 教授 (70004629)
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研究分担者 |
君島 伊造 福島県立医科大学, 第二外科, 助手 (00161547)
土屋 敦雄 福島県立医科大学, 第二外科, 助教授 (10117674)
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キーワード | TMX,除睾術 / 5FU / 複合療法 / 乳癌 / SC115 / 細胞動態 / フローサイトメトリー |
研究概要 |
前年度はホルモン依存性のあるMCFT、SC115を用いてFMCによる細胞動態から内分泌および5FUによる腫瘍増殖抑制の機序について解析した。MCFTに対するTAMの増殖抑制効果はG_1からS期への移行をおさえるものであり、SC115に対する除睾術も同じ結果であった。 DDSマウスにSC115を移植して、5FU投与後経時的に腫瘍細胞の動態をみると24時間後のS期の割合は対照群の33.0%に比べて11.5%と減少しているが、48時間後には32.6%と回復し、72時間には37.4%と増加していた。そこでDDSマウスにSC115を移植して、除睾術と5FU投与を行って複合療法による最も効果的な投与法を細胞動態の面から検討した。 結果 1)SC115移植後1.5cm径の腫瘍となった時期に除睾術を行った群と徐睾術施行24時間前に5FU40mg/kgを投与した群、除睾術後1週と2週目に同量の5FUを投与した4群で腫瘍の増殖率をみた、徐睾術施行前に5FUを投与した群では除睾術軍独群に比べて明かに増殖が抑制されたが、除睾術1週後、2週後に5FUを投与した群では抑制効果はみられるもの有意の差ではなく、時期が遅いほど抑制効果はみられなかった。 5FU投与時のSC115のS期の割合は除睾術前が31.2%、1週間後が20.8%、1週間後が18.0%であり、5FUの抗腫瘍効果はS期の割合の高いものほど高いという結果が得られた。この場合の内分泌治療と化学療法の併用には、5FUの投与を先行させ、その後内分泌治療を行うのが最も治療効果の得られることがわかった。 この結果に基いて乳癌治療の臨床応用を計画したいと思っているが、期間内に成績を出すことはできないのが残念である。 2)乳癌患者の癌細胞の核DNA量をFCMにて測定した、Ploidyパターン別に生存率に有意の差はみることができなかったが、S期の割合で生存率をみると、S期の高いものの予後が低いものに比し明かに悪かった。
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