研究課題/領域番号 |
62480276
|
研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
小野 慶一 弘前大学, 医学部, 教授 (40003363)
|
研究分担者 |
高橋 賢一 弘前大学, 医学部附属病院, 医員
遠藤 正章 弘前大学, 医学部, 助手 (30194046)
福嶋 貴 弘前大学, 医学部附属病院, 医員
鈴木 英登士 弘前大学, 医学部, 講師 (60142858)
佐々木 睦男 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (10005077)
|
キーワード | 肝内結石症 / 胆汁うっ帯 / 胆汁中ムチン / 胆道感染症 / シアロムチン / スルホムチン / イオン交換 |
研究概要 |
1、肝内結石モデル犬による検討:1)犬左肝内胆管内にシリコンコ-ティングチュ-ブを挿入し、狭窄のない胆汁うっ滞状態を作製し1年間観察した。2)経門脈的に大腸菌を1回10^8個を持続投与し、胆道感染を惹起し3ヶ月間観察した。3)1)、2)の操作を同時に行い胆汁うっ帯感染を作製し、1年間観察した。1)、2)、3)より得られた胆管胆汁を生化学的に分析しそれぞれの影響を分析した。その結果、うっ滞群ではムチン型糖蛋白の増加とS-S結合による高分子化が起こった。さらに胆道感染が加わることによりその程度は増加し、シアル化、硫酸化も著明になった。胆道感染単独ではS-S結合による高分子化のみ発生し、また胆汁うっ帯およびうっ帯感染群モデル犬の肝内胆管内に結石の発生を認めた。以上より肝内結石症の成因にはムチン型糖蛋白の増加、とりわけシアロムチン、スルホムチンの増加が最も関与すると考えられた。さらにこの理論を確認するために、このムチン型糖蛋白の精製と試験管内結石形成実験を計画した。すなわち、 2、人肝内結石症患者より得られた胆管胆汁をアセトン・エ-テルにて脱脂・脱色後乾燥粉末とした。これをDEAEセルロ-スを用いイオン交換クロマトグラフィ-を行った。これにより試料を4つの画分に分画し、このうち最もムチンを多く含むと思われる画分を回収した。その生化学的分析ではアミノ酸としてセリン、スレオニン、アスパラギン酸が多く、糖分析では0-グリコシド型糖鎖を有し糖鎖末端にはシアル酸、硫酸を多く配していた。この胆汁中ムチンと感染胆管胆汁、正常胆管胆汁とを反応させ経時的に観察したところ、感染胆汁とムチンとの混和では直後より混濁し、胆砂様の沈澱を生じた。以上より胆汁中ムチンが肝内結石の成因として最も重要であるというわれわれの考えはin vivoならびにin vitroでも証明されたことになる。
|