研究課題/領域番号 |
62480280
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
黒田 孝井 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (60150314)
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研究分担者 |
岩月 和彦 信州大学, 医学部薬理学, 助教授 (20004666)
山岸 喜代文 信州大学, 医学部附属病院, 助手
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キーワード | 黄疸 / 膵 / プロスタグランディン / CCKー8 / セクレチン |
研究概要 |
従来、われわれは膵と他臓器との関連を追求する目的で雑種成犬を使用し、種々の実験モデルを作成した。膵の遊離潜流実験および膵の浮遊細胞のインキュベーションを行い、膵と臓器相関を有する膵の病態時の膵機能について検討し、昨年度は閉塞性黄疸時の膵外分泌能を検討し、膵外分泌能が亢進することを報告した(International Journal of Pancreatology 3:425ー435,1988)。今回は閉塞性黄疸時に内因性膵プロスタグランディン代謝の変動と膵内外分泌などに及ぼす意義について検討を加えた。その結果、膵は通常プロスタグランディンを産生していること、CCKー8刺激により内因性膵プロスタグランディン産生は促進されることを報告した(第18回、日本膵臓学会、Pancreas:In Press)。また、内因性膵プロスタグランディンは膵血流、内外分泌に関してそれ程重要な役割を果していないことを報告した。また、黄疸時には、CCK刺激により、内因性膵プロスタグランディン産生は亢進することを認めた(第31回、日本消化器外科学会)。また、黄疸時にCCKー8により内因性膵プロスタグランディン産生の亢進のメカニズムの一つとして、黄疸膵細胞自体が長期間の高ビリルビニなど血液異常成分にExposeされるためにCCKに対する感受性が亢進することを確認し、また、閉塞性黄疸時、膵は、CCK刺激により傷害を受けやすく、産生が亢進した内因性膵プロスタグランディンは傷害された膵細胞に対してcytoprotectiveに作用することが確認できた(第75回、日本消化器病学会、Gastroenterology(submitted))。
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