研究概要 |
1.OK432のin vivo感作およびin vitro再感作により誘導される活性化NK細胞は, lymphokine activated Keller(LAK)細胞様活性を有している. 2.培養上清中には, インターロイキン2とインターフェロン活性を認め, インターフェロン活性とNK活性は良く相関した. 3.誘導されるインターフェロンの87%以上は, インターフェロンγであった. 4.抗ILー2レセプター単クローン抗体による解析から, OK432によるNK細胞の活性化は, インターロイキン2を介して, インターフェロンγが誘導され, 起こることを明らかにした. 5.OK432による活性化NK細胞を, 担腫瘍マウスに養子免疫した結果, (1)SP2myelomaによる腫瘍性腹膜炎マウスの92%は, 完全治癒した. (2)C26adenocarciuomaによる固型ガンマウスでは, 腫瘍増殖抑制効果を認め, かつ生存日数も有意に延長し, 養子免疫療法の効果を確認した. 以上の如く, 当初に計画した昭和62年度分の研究目標は, 完全に達成した. また, 以下の2項目の問題点が明らかとなり, 検討中である. 1.NK細胞の活性化に関与するインターロイキン2とインターフェロンγの役割 NK細胞の活性化に及ぼすpriming signalが, インターロイキン2でありtriggering signalがインターフェロンγであるという仮説を, 現在証明中である. 2.In vitroにおけるOK432とインターロイキン2は併用効果を認めない. 私たちは, この系においてLAK細胞に対するsuppressor Macrophageが, OK432により活性化されることを見い出し, その詳細を検討中である.
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