OK432により誘導される活性化NK細胞の養子免疫療法の確立

1988 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 62480286
• 研究機関: 和歌山県立医科大学
• 研究代表者: 山上 裕機 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (20191190)
• 研究分担者: 田伏 克惇 国立大阪南病院, 外科医長 (70073757) ; 森 一成 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (30190987) ; 永井 祐吾 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (00172495)
• キーワード: OK432 / ナチュラルキラー細胞 / インターロイキン2 / インターフェロンγ / 養子免疫療法 / Lymphokine-activated Killer(LAK)細胞

研究概要

OK432のin vivo感作・in vitro再感作により、強い腫瘍細胞障害活性を有する活性化NK細胞が誘導できることを立証してきた。
昭和63年度は、担腫瘍マウスにOK432誘導活性化NK細胞(OK-NK細胞)をadoptive transferする至適条件に関する研究を行った。
1.0K-NK細胞の移入細胞数および移入回数
5×10^7個のOK-NK細胞の移入により、SP2による腫瘍性腹膜炎マウスの92%が完全治癒し、C26による固型腫瘍マウスでは腫瘍増殖の著明な抑制効果と生存日数の延長を確認した。OK-NK細胞を腫瘍移植5日目より計3回の反復移入を行うことで、さらに腫瘍増殖は抑制され生存日数も延長したことから、臨床応用におけるOK-NK細胞の反復移入の有用性が示唆された。
2.移入したOK-NK細胞の臓器分布
^<125>I-標識OK-NK細胞をC26固型腫瘍内に移入した結果、移入4,12,36時間後の腫瘍内残留率はそれぞれ61%、27%および8%であり、36時間後でも移入局所に残留することを確認し、臨床応用における腫瘍局所への移入が有効であると考えられた。また臓器への集積では36時間後に、脾に集積する傾向を認めた。
3.OK-NK細胞の腫瘍組織親和性
^<51>Cr-標識0K-NK細胞を腫瘍局所および健常部皮下へ移入して、局所残留率を比較した結果、腫瘍内移入した群の方が有意に局所残留率が高かった。
4.OK432の追加投与
OK-NK細胞移入時に、0.1KEのOK432を追加投与することで、抗腫瘍効果はさらに上昇した。以上のすべての研究は昭和63年度設備備品であるオリンパス生物顕微鏡を用いて行った。

研究成果

• [文献書誌] Hiroki Yamaue,et al: Cancer Immunology Immunotherapy. 28(2). (1989)
• [文献書誌] 山上裕機 他: BIOTHERAPY. 3(1). 68-71 (1989)
• [文献書誌] 山上裕機: 和歌山医学. 40(1). 61-78 (1989)
• [文献書誌] 山上裕機 他: 日本癌治療学会誌. 24(11). (1989)
• [文献書誌] 山上裕機 他: 日本癌治療学会誌.
• [文献書誌] 山上裕機 他: 日本癌治療学会誌.
• [文献書誌] 山上裕機: 臨床免疫.
• [文献書誌] 山上裕機: Pharma Medica. (1989)
• [文献書誌] Hiroki Yamaue,et al: International Journal of Immunopharmacology.
• [文献書誌] 岩橋誠 他: BIOTHERAPY. 3(1). 442-445 (1989)
• [文献書誌] 谷眞至 他: BIOTHERAPY. 3(1). 430-433 (1989)
• [文献書誌] 角田卓也 他: BIOTHERAPY. 3(1). 95-98 (1989)
• [文献書誌] Hiroki Yamaue,et al: "Progress in chemotherapy Proceedings of the 15th international congress of chemotherapy" Ecomed verlagsgesellschafft mbh, 353-355 (1988)