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1989 年度 実績報告書

ストレス潰瘍の発生機序と治療対策

研究課題

研究課題/領域番号 62480288
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

池内 準次  東京慈恵会医科大学, 医学部・第二外科, 教授 (30056486)

研究分担者 田村 茂樹  東京慈恵会医科大学, 医学部・第二外科, 助手 (40155263)
坂口 友次朗  東京慈恵会医科大学, 医学部・第二外科, 講師 (60130168)
キーワード水浸拘束ストレス潰瘍モデル / 閉塞性黄疽モデル / Potentia1 Difference(PD) / 防御因子 / 攻撃因子 / ガストリンレセプタ-アンタゴニスト / H_2ーレセプタ-アンタゴニスト
研究概要

今までの研究で、ストレス潰瘍の発生は、胃粘膜防御因子の破綻に起因すると考えられた。今年度は、急性胃粘膜病変の発生モデルとして病態の異なる水浸拘束ストレスモデルと総胆管結紮による閉塞性黄疽モデルを用い病変の発生と各種胃粘膜防御因子について検討し、さらに抗潰瘍薬の効果について検討した。ストレス群では病変は胃体部だけにみられ組織学的にみると強い循環障害が主たる所見であった。黄疽群は病変はいづれの部位にもみられ粘膜の浮腫に初まり、5日、7日経過すると粘膜上皮の欠損がみられるようになる。胃底腺、幽門腺領域では提尖ビラン様であり、十二指腸では粘膜の融解壊死型のビランであった。粘膜血流、PDについてみる。ストレス群では、ストレス負荷1時間で血流の低下がみられ、これに伴いPD値も低下してくる。ストレス負荷3時間で病変の発生がみられ、発生には血流低下が必要であると考えられたが黄疽群は血流、PDの低下は緩徐であり防御因子もだらだらと下がりその総和としてビランが発生するものと考えられた。この黄疽群のビラン発生について防御因子の面からだけで説明がつきかねたので攻撃因子としての酸分泌を粘膜pH、組織内ヒスタミン、血清ガストリンを測定した。ストレス群では3者とも変動がないのに、黄疽群では、7日目に胃体部のpHは低下しており、ヒスタミン、ガストリンも上昇がみられた。すなわち黄疽群の発生機序は、防御因子の低下で攻撃因子の増強によるものと考えられた。抗潰瘍薬の効果についてみた。proglumideとfamotidineについてみた。ストレス群ではproglumideの効果がみられたが、黄疽群ではガストリンレセプタ-アンタゴニストであるproglumideもH_2レセプタ-アンタゴニストであるfamotidineともに潰瘍の発生抑制効果がみられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 長尾房大: "消化管出血" 治療. 69. 177-182 (1987)

  • [文献書誌] 中村紀夫: "ヒト胃粘膜機能に対するSSー094の効果について" 医学と薬学. 17. 1033-1040 (1987)

  • [文献書誌] 坂口友次朗: "水浸拘束ストレス潰瘍における胃粘液動態と胃粘膜血流について" 最新医学. 35. 1730-1732 (1980)

  • [文献書誌] 池内準次: "胃十二指腸潰瘍出血" 臨床成人病. 13. 1709-1716 (1983)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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