研究概要 |
エキシマレーザーによる心筋穿刺法の予備実験として豚の心筋標本を用いた実験を行なった. ガスとしてはKrFおよびXeclを用いた. エキシマレーザー本体よりの水平光を誘電体多層膜ミラー及びMgF.ナ_<2.ニ>コーティングアルミニウムミラーを用い垂直光とし焦点距離200mmの合成石英レンズで集光した後標本に照射した. 照射エネルギーはKrFは25mJから79.2mJ,Xeclは10mJから45.8mJ,繰り返し頻度は10Hzから80Hzまで変化させ組織損傷の程度を光学顕微鏡下に観察した. 心筋に対する影響は繰り返し頻度を増加させるにつれ, 周囲組織への損傷は増大した. また使用するガスの種類によっても, その反応は異なり, 波長の短いKrFの方がXeclよりも組織損傷は少ないことが判明した. 次に以上の予備実験の結果より雑種成犬にて心筋穿刺法を試みた. エキシマレーザーのビームをMgF.ナ_<2.ニ>コーティングアルミニウムミラーにて水平方向から垂直方向に変換し合成石英レンズ(焦点距離300mm)にて集光する照射系を考案した. ペイトバルビタール麻酔後信気管内挿管し左開胸下に心臓を露出し, 心拍動下の心筋穿刺を試みた. しかし照射系によるエネルギーの損失が大きく, かつエキシマレーザービームの血液への吸収が大きく, 定焦点の照射系では心拍動下の心筋穿刺は困難と思われる. したがってエキシマレーザーのビームを導く導光路としてのファイバーの開発が是非とも必要であり, 現在考案中である.
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