研究課題/領域番号 |
62480293
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伴、敏彦 京都大学, 医学部, 教授 (00173120)
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研究分担者 |
岡林 均 京都大学, 医学部, 助手 (10204009)
岡本 好史 京都大学, 医学部, 助教授 (80116392)
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キーワード | エキシマレーザー / 塩化キセノン / フッ化クリプトン / 血管形成術 / 石英ファイバー |
研究概要 |
1、エキシマレーザー光のファイバーへの導光実験 前年度の研究成果に基づいて直径400μmの石英ファイバーを用いてエキシマレーザー光(XeCl、KrF)のファイバー内への導光実験を行なった。約1×2cmのレーザー光を2〜6mmのapertureおよび焦点距離30mmの合成石英レンズを用いて、長さ1mの400μmの石英ファイバーに導光した。ファイバーの前後での出力をGentec社製Joule meter EDー100で測定した。(結果)KrFでは出力は最高0.3mJまでしか得られず、それ以上ではファイバーが破壊させた。XeClでは最高9mJまで得られたが、長時間照射後では出力の低下がみられた。ファイバー先瑞での出力はファイバー前での出力の40%であった。 2、エキシマレーザー光の犬動脈壁に対する照射実験及びその治癒過程の観察 上記の結果をもとに長さ3m、400μmの石英ファイバーにエキシマレーザー光(XeCl)を導光し動脈壁に対する照射実験を行なった。実験には雑種成犬4頭を用いた。麻酔後両側大腿動脈、頸動脈を露出した後、Heparinを50〜100単位/kg静注、各動脈を血流遮断し、約2cmの縦切開を動脈壁に加えた。ファイバーを動脈壁より約1mm離して、ヘパリン加生食中で照射した。照射条件は、出力2.9mJ〜3mJ、10PPS、30Shotsであり、各動脈に20ケ所の照射を行なった。照射後2時間、7日目、12日目、18日目に標本を適出し評価した。(結果)照射後2時間の標本では幅500μm、深さ100μm組織欠損が認められたが、周囲組織の熱損傷は認められなかった。18日目では組織欠損部は線維組織で置換されており、表面は一層の内皮細胞で被覆され完全に治癒していた。内腔に突出するような過剰な内膜の増殖は認められず、血管形成術には好ましい治癒過程と思われた。
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