研究分担者 |
今井 康晴 東京女子医科大学, 循環器小児外科, 教授 (30075246)
黒沢 博身 東京女子医科大学, 循環器小児外科, 助教授 (50075511)
河田 政明 東京女子医科大学, 循環小児外科, 助手 (30177703)
澤渡 和男 東京女子医科大学, 循環小児外科, 助手 (80138916)
原田 助和 東京女子医科大学, 循環器小児外科, 助手 (00138918)
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研究概要 |
昭和62年度は心臓移植の急性実験を主眼として, 第一段階である臨床応用に対応した心移植の手術手技の習熟と, 同種同所性移植の問題点の把握, 及びこの解決であった. 人工心肺を用いて, 実験的な心移植を施行することは, 一回の実験毎に使い捨てとなる心肺回路を含めた消耗品は高価なものとなり, 当初より経済効率は低いと考えられた. 更に免疫抑制剤を投与, 長期間生存の実験動物作成とこの成績向上のために, 実験を繰り返し数で習熟することで成績の向上を計ることは予算上得策でないと当初より考えられた. 提出した実験計画に従って心移植は体重5Kg前後の子犬を使用し自家同所性移植術の確立を最大目標とした. この子犬と大型犬の crossーcirculationによる自家移植を実験モデルに設定した. 手術手技は欧米で文献上臨床的に施行されている手術手技に準じたが, 自家同所性移植であり, 細部にわたっては更に外科手技の工夫と変更が必要であった. 急性実験での手技の確立上はほぼ満足できる段階と考えている. しかし子犬の体外循環後の体温調整は電気マットでは不充分であり, 大型犬も同時に加温できる高価な温冷マットを購入しなれればならず, 設備費が予定に反して膨らんだ. 清潔実験での急性期実験耐術犬の作成は未だ充分ではなく術後最長20時間未満にすぎない, 術後の肺鬱血に引き続いた低酸素血症の克服が急務で, この問題点の克服に務力し来年度以降の心肺同時移植の前段階と理解している. 呼吸器の整備と肺保護に務めた結果, 術後の低酸素血症は改善傾向にある. しかし動物種に特有の減少であれば, 使用する実験動の種を変更しなければならない, と考えている.
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