研究課題/領域番号 |
62480303
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
片倉 隆一 東北大学, 医学部付属病院, 講師 (70152676)
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研究分担者 |
水柿 道直 東北大学, 医学部付属病院, 教授 (60004595)
遠藤 政夫 山形大学, 医学部, 教授 (40004668)
本宮 雅吉 東北大学, 抗酸菌研究所, 教授 (20006092)
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キーワード | 〔^3H〕-inositol / イノシトールリン脂質 / シナプトゾーム / ブレインスライス |
研究概要 |
本年度はRIラベリングにより、虚血脳のイノシトールリン脂質の部位別代謝動態とシナプトゾーム分離による神経伝達物質の作用機構(虚血における)に関する研究を行う予定であった。InvivoにおけるRIラベリングはアイソトープが高価であることより、部位別イノシトールリン脂質代謝の測定に先立って、海馬切片(brain slice)を用いての虚血実験を行った。すなわち、ラットを断頭後、脳を摘出し、切片を作成する。krebs-Hersleit bufferでincubation後、Liclと〔^3H〕-inositolを含むbufferでincubationしRIをロードするLi^+はIP_3→IP_2→IP→inositolの代謝経路におけるIP→inositolへの変換を阻害する。その後、bufferより糖と酸素を除去することにより虚血に準じた状態を作成し、種々の時間でfri-cyclic avidにより反応を止め、イノシトールリン酸をBrown(1984)らの方法で測定するというものである。海馬切片は虚血の開始により神経伝達物質の異常放出をみるため、この実験によりイノシトールリン脂質代謝と神経伝達物質の関係が解明されると考えられる。しかし実際の実験において、コントロールとしてのRI値にはばらつきが大きく、データとしての信頼性がなかった。その原因としては切片のRIの取り込みが不均一である、切片作成技術の未熟さ、RIの試験管壁への付着が最も大きな原因と考えられた。その点について今後さらに検討しなくてはならない。シナプトゾームの実験に関しても分離の点までは技術的に改善したが、RIラベリングに問題があり、今後も検討を要する。
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