研究概要 |
1)マウス神経芽細胞腫C1300にレトロウイルスベクタ-PSVX(MuγΔA)を用いてIFN-γ遺伝子を導入した腫瘍細胞の、MHCをはじめとする表面抗原の発現ならびに腫瘍細胞を皮下に接種した場合の宿主の反応を検討した。IFN-γ遺伝子が入った細胞を皮下接種すると、親株に比べ腫瘍の増大が極端に低下し、2.4x10個の細胞の接種でも生着龍は7%程度であった。腫瘍の直径で皮下腫瘍の成長をみると、親株がほぼ直線的に増大するに対してIFN-γ遺伝子をいれた腫瘍株は14-20日目に一時腫瘍増大が停止し、その時期に拒絶されるものも現れ宿主の免疫反応の活性化が示唆された。生存曲線でみてもIFN-γ遺伝子導入腫瘍担体マウスは生存日数の延長がみられた。 2)次いで、マウス203gliomaに対するCTLクロ-ン、E-4、を作成し、そのCTLにretrovirus vectorを用いて、同様の方法によたマウスIFN-γcDNAを導入し、その抗腫瘍活性を増強させることを試みた。G412にて選択されたsubclone,E-γ-4,E-γ-5,E-γ-6,E-γ-7,E-γ-9を樹立した。Southerm blot法でこれらsubcloneにIFN-γ遺伝子が組み込まれていることが確認された。Cr(51) release assayでin vitroでの抗腫瘍活性を検討すると、CTL親株であるE-4に比較して、IFN-γ遺伝子を組み込んだsubline,特にE-γ-9では、killing activityは約3倍上昇していた。in vivoのWinn assayにおいても、親株であるE-4に比較して、生着率の抑制に有意の効果が認められた。 3)以上の所見より、マウス神経計腫瘍のシステムにおいて、腫瘍細胞および腫瘍特異的キラ-T細胞にIFN-γ遺伝子を組み込むことが可能であり、そのことによって、抗腫瘍免疫反応をmodifyすることが可能であることが明らかとなった。このような手法が、将来的には、ヒト悪性脳腫瘍の治療にも応用できる可能性が示唆された。
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