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1988 年度 実績報告書

先天性水頭症における脳発達障害の成立機序と外科的治療に関する病態生理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 62480312
研究機関順天堂大学

研究代表者

佐藤 潔  順天堂大学, 医学部・脳神経外科, 教授 (10112707)

研究分担者 武田 信昭  順天堂大学, 医学部・脳神経外科, 講師 (00171645)
宮澤 隆仁  順天堂大学, 医学部・脳神経外科, 講師 (80182012)
伊藤 昌徳  順天堂大学, 医学部・脳神経外科, 講師 (20095764)
キーワード先天性水頭症 / 先天性水頭症ラット / 大脳皮質 / ゴルジ法 / シナプス / シナプス小胞蛋白 / 螢光抗体法 / 学習脳
研究概要

63年度に引き続き、以下の実験的研究を行った。短絡術施行後の水頭症脳における病態解明を目的として、4週齢の急性進行性水頭症ラットHTXに脳室腹腔短絡術を施行し、短絡管依存停止性水頭症HTXを作製、短絡術が大脳皮質神経細胞の形態学的及び機能的障害を如何に修飾するかを検討した。(1)短絡管依存停止性水頭症HTXの学習脳をY-mazeを用いた明暗弁別学習試験にて評価したところ、sham手術群と比較して、全者では学習脳の低下が明らかとなった。(2)Autamex IIを用いてこれら動物の運動量を夜間経時的に測定したところ、短絡管依存停止性水頭症HTXでは運動量の増加が明らかとなった。この結果より、短絡管依存停止性水頭症HTXの学習障害は動物の運動機能の低下に随伴して起こったものではないことが示唆された。(3)以上の行動生理学的検索を終了した短絡管依存停止性水頭症HTXを屠殺、その脳室拡大率を検索した。短絡術後、脳室は短絡術前より明らかに小さくなったが、その値は必ずしも一定していなかった。しかし、一部の動物の大脳皮質は肥厚し、水頭症の進行で一度失われた大脳皮質の6層構造は再構築されていると思われた。(4)これらの脳をゴルジ染色標本にて観察すると、皮質錐体細胞の樹状突起の太さ・長さ・分岐の角度などには特記すべき異常は認められなかったが、大脳皮質第II・III層の錐体細胞の尖頭及び基底樹状突起のspine densityはsham手術群に比較すると有意に減少している事実が捉えられた。(5)シナプス小胞蛋白(SVP-38)に対するモノクローナル抗体(Obata K.1986)を用いて、同動物のシナプス形成障害の有無の検索を試みたが、脳固定の不備により信頼できるデータを得ることができなかった。64年度には生後1〜2週齢の水頭症発現HTXに対し早期短絡術を行い、短絡管の早期設置が大脳皮質神経細胞及びシナプスの形成障害をどのように修飾するかを検索していく所存である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Wada,M.: Neurol Med Chir(Tokyo). 28. 955-964 (1988)

  • [文献書誌] Miyaoka,M.et al: Metabolic Brain Disease. 3. 125-132 (1988)

  • [文献書誌] 宮澤隆仁 他: 小児の脳神経. 13. 263-270 (1988)

  • [文献書誌] 佐藤潔 他: CLINICAL NEUROSCIENCE.

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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