研究課題/領域番号 |
62480316
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
北原 宏 千葉大学, 医学部, 助教授 (30114268)
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研究分担者 |
江見 俊彦 川崎製鉄株式会社, 技術研究本部・ハイテク研究所副所長, 副所長 (30250822)
高橋 和久 千葉大学, 医学部, 助手 (20179477)
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キーワード | 人工推体 / 脊推 / 悪性腫瘍 / 転移 / 推体置換 / 人工推間板 |
研究概要 |
人工推体のサイズについて、日本人51体の死体脊推の計測に基き決定した。その結果、高さは15mmより55mmが必要であった。 人工推体の固定性については昨年度の実験において骨セメントが初期固定に優れていることを明らかにしたが、今回はさらに骨に作製した溝に表面加工したプレートを骨セメントにて固定する方法が力学的にも、母床作製上の手技においても優れている事が明らかとなった。 本固定法に対する生体内の反応については犬の脊推を用いて装着実験を行なった。その結果、術後4週より垂直荷重を受ける面(推体終板部付近)と推体前部に旺盛な骨組織の新生が見られ、その傾向は術後16週まで存在した。カニ食い猿を用いた実験では術後6ケ月を経過して人工推体周辺の骨硬化がレントゲン像にて確認され、良好な固定性が示唆された。また人工推体周辺の組織に対するチタン合金成分のイオンの溶出は検出されなかった。 人工推体の耐久性については腺推用人工推体に対して生理食塩水中において垂直荷重3000Nとねじり共重20Nmをそれぞれ10万回繰り返し負荷し、耐久性試験を行った。その結果、人工推体の破壊は起らず、また生理食塩水中にイオンの溶出のないことも確認された。 以上に基づき作製した4種類の人工推体は臨床応用可能であると結論し、肺癌第2腰推転移例に対し、推体置換を施行した。 人工推間板についてはporousな表面を持つブロックを作製し、家兎大腿骨と犬椎間板への埋め込み試験を行った。その結果、家兎大腿骨においては骨の侵入が得られたが、犬推間板では骨の侵入は得られず、骨吸収と推体内への沈み込みが見られた。この原因としてブロック挿入部に動きがある事とブロック(チタン合金)の弾性が骨と大きく違うことなどが考えらえた。
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