1)Dellon・Mackinnonらの方法を準用してラットの坐骨神経絞扼障害を発生せしめたところ、光顕的・電顕的観察および形態計測、ときほぐし標本観察、アルブミン・トルイジンブル-蛍光による神経上膜神経血行関門破綻の観察、さらには筋電図による電気生理学的観察、^3Hロイシンの脊髄神経節内注入による順行性軸索流速度の測定などから、手術後8カ月にして、臨床像に極めて類似した病像が成立することを確かめた。このことは、アメリカ末梢神経学会第4回国際学会(1988年、カナダハリファックス)で発表し、現在日本整形外科学会へ原著論文として投稿し、審査中である。 2)上記実験によって成立したラット坐骨神経絞扼障害に対する神経剥離術の影響については、第3回日本整形外科学会基礎学術集会(昭和63年9月、東京)において発表し、目下論文作製中である。 3)さらに従来診断的価値とともに一種の神経剥離術と見做されていた神経上膜下生食水注入(saline neurolysis)の絞扼障害神経に対する影響を研究し、その予想を超える傷害を第36回アメリカ整形外科基礎学会で発表した。
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