研究分担者 |
寺前 俊樹 徳島大学, 医学部・附属病院, 助手 (20188684)
正木 国弘 徳島大学, 医学部, 助手 (90181627)
福沢 健治 徳島大学, 薬学部, 助教授 (90035551)
岡 源郎 徳島大学, 医学部, 教授 (60028298)
井形 高明 徳島大学, 医学部, 教授 (80108860)
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研究概要 |
1.急性脊髄障害実験;Wistar系ラットを用い, 以下の実験を行った. 1)対照群とVit,E投与群に分類し, 脊髄圧迫障害行および後の脊髄過酸化脂質をTBA法により経時的に測定した. TBAーRSは対照群では損傷直後に47.5±7.1nmolMDA/100gwet weightに増加しズ24時間まで高値が持続した. 一方, 投与群では損傷直後より32.9nmolMDA/100gwetweightとあまり増加せず, 対照群に比して24時間まで低値で推移した. 2)対照群とVitaminE欠乏群(以下E欠群)に分類し以下の項目を検討した. 圧迫後の血流は両群とも一過性に増大し, 以後漸減するもののE欠群では血流量減少がより著明であった. 圧迫後の脊髄誘発電位の変化をみると, 対照群では1時間後50%の回復を示したが, E欠群では約20%の回復に留った. 両群の圧迫後運動麻痺をみると, E欠群に比べ対照群の方が麻痺程度はより軽度であった. 3)脊髄圧迫損傷後, 脊髄内で産生されるTXA_2とPGI_2について, その安定代謝物であるTXB_2,bーKetoーPGF_<1α2>を放射免疫測定法による測定した. 圧迫除去後, 脊髄中TXA_2は5分でピークに達し87.2±9.5pmol/gとなり, 以後漸減し60分後には11.4±7.8pmol/gと基準値まで低下した. PGI_2は圧迫除去直後での産生はみられず, 5分以降20pmol/gで少なくとも30分まで持続した. 2.慢性脊髄障害実験;慢性脊髄障害では脊髄一脊髄液関門の透過性が亢進すると考えられる. Wistar系ラットを用い分子量の異なる4種類のtracer(Fluorescein,Evans Blue,HRP,lonic Lanthanum)をくも膜下腔に注入し脊髄実質への透過性を検討した. 1)正常ラットにおいてもtracerは脊髄実質内に移行し, 脊髄一脊髄液関門は血液一脊髄関門のような厳密なbarrierでないことが示唆された. 2)脊髄空洞症ラットにおいては, 分子量の大きなHRPも脊髄実質内に移行することを電子顕微鏡にて確認した.
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