研究課題/領域番号 |
62480321
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
村瀬 正昭 徳島大学, 医学部附属病院, 助手 (00182121)
|
研究分担者 |
森本 訓明 徳島大学, 医学部, 助手 (80210186)
福沢 健治 徳島大学, 医学部, 助教授 (90035551)
岡 源郎 徳島大学, 医学部, 教授 (60028298)
井形 高明 徳島大学, 医学部, 教授 (80108860)
|
キーワード | 脊髄圧迫障害 / ビタミンE / TBA反応物質 / TXA_2 / PGI_2 / 螢光色素 / 脊髄血管損傷度 |
研究概要 |
1.急性脊髄圧迫実験:wister系ラットを用い、以下の実験を行った。 1)対照群とVit.E欠乏群(以下E欠群)に分類し、脊髄圧迫障害前および後の脊髄過酸化脂質量をTBA法により経時的に測定した。また、圧迫損傷6時間後の脊髄を摘出し、組織学的検索を加えた。TBARS量はE欠群では、損傷直後に、63.6±17.8nmolMDA/100g wet weightのピークを示し、6時間後まで、平均50以上の高値を示した。これに対して、対照群では、損傷30分後に57.9±9.2のピークを示し、以後漸減した。両群を比較すると、いずれの時間においても、E欠群は対照群より高く圧迫直後と、3時間後の高値は、有意差を認めた。組織学的には、両群間の出血巣に差を認め、出血率でみると、E欠群4.06±3.87%、対照群2.13±1.52%であり、危険率5%でE欠群に大きかった。 2)脊髄圧迫損傷後、脊髄内に産生されるTXA_2とPGI_2の安定代謝物であるTXB_2と6ーketoPGF_<12>を放射免疫測定法を用いて、測定した。TXB_2の産生は、損傷5分後に最高値に達し、6ーketoPGF_<12>の産生は、軽度であった。この損傷5分後のTXB_2の産生値は、脊髄を圧迫する重錘の重さを重くする程増加し、脊髄に加わる外力の大きさと比例関係にあった。また螢光色素をラットにあらかじめ静注しておき、脊髄損傷後1時間後に、損傷脊髄に漏出する螢光色素の量を分光螢光光度計を用い測定し、この値を脊髄血管損傷度とした。この値も、脊髄に加わる外力の大きさに比例して増加しており、TXB_2の産生値、脊髄血管損傷度と脊髄に加わる外力の大きさとは、互いに比例関係にあった。以上のことより、TXA_2が脊髄損傷において、重要な役割を担っていることが示唆された。
|