研究課題/領域番号 |
62480321
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
村瀬 正昭 徳島大学, 医学部附属病院, 助手 (00182121)
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研究分担者 |
森本 訓明 徳島大学, 医学部附属病院, 助手 (80210186)
福沢 健治 徳島大学, 薬学部, 助教授 (90035551)
岡 源郎 徳島大学, 医学部, 教授 (60028298)
井形 高明 徳島大学, 医学部, 教授 (80108860)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 脊髄圧迫障害 / ビタミンE / TBA反応物質 / トロンボキサンA_2 / プロスタグランディンI_2 / 脊髄空洞症 / 脊髄ー脊髄液関門 |
研究概要 |
1.急性脊髄障害実験:Wister系ラットを用い、以下の実験を行った。1)対照群とVit.E投与群、Vit.E欠乏群に分類し、脊髄圧迫障害前および後の脊髄過酸化脂質をTBA法により経時的に測定した。TBARS量は、Vit.E投与群では対照群に比し、有意に低値を示した。Vit.E欠乏群では、対照群に比し、有意に高値を示した。2)脊髄誘発電位では、Vit.E投与群の回復が著明であり、Vit.E欠乏群では、回復が劣っていた。3)組織学的には、出血巣の拡がりは、Vit.E投与群で少なくVit.E欠乏群では広範囲に拡がっていた。4)脊髄圧迫損傷後、脊髄内に産生されるTXA_2とPGI_2の安定代謝物であるTXB_2とb-ketoPGF_1を放射免疫測定法により測定した。損傷5分後のTXB_2の産生値は脊髄損傷の程度に比例していた。また、螢光色素を静注し、分光光度計により、測定した結果でも脊髄血管損傷は外力の大きさに比例しており、TXB_2の産生値、脊髄血管損傷度と脊髄に加わる外力の大きさとは、互いに比例関係にあった。以上よりTXA_2が損傷脊髄において重要な役割を担っていることが示唆された。 2.慢性脊髄障害実験:Wister系ラットを用い、上位頸椎部にカオリンを注入し、慢性脊髄障害を作製し、分子量の異なる4種類のtracer(Fluorescein Evans Blue,HRP,Lanthanumchloride)をクモ膜下腔に注入し、脊髄実質への透過性を検討した。1)正常ラットにおいても、低分子tracerは脊髄実質内に移行し、脊髄ー脊髄液関門は、血液ー脊髄関門のような厳密なbarrierでないことが示唆された。2)脊髄空洞症ラットにおいては、分子量の大きなHRPも脊髄実質内に移行することが、電子顕微鏡にても確認された。
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