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1988 年度 実績報告書

馬尾ならびに腰部神経根圧迫障害の病態生理学的検討と治療方法に関する臨床的・基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 62480322
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

玉置 哲也  和歌山県立医科大学, 医学部・整形外科, 教授 (30009592)

研究分担者 寺尾 賢秀  和歌山県立医科大学, 医学部・整形外科, 助手 (80163898)
キーワード神経根障害 / 神経根電位 / 強さ時間曲線 / 馬尾・神経根血流
研究概要

腰部神経根ならびに馬尾障害について、今年度は実験的研究として昨年度に着手していたサルを用いた馬尾圧迫実験モデルの検討を行なった。人間に似て馬尾が長いサルの第3あるいは第4腰椎の椎弓を切離して、椎弓管内に落とし込み硬膜管を圧迫してキルシュナー鋼線にて固定した。現在までに手術を行なったサルは計6匹であるが、いずれも術後に亀背形成を示し、馬尾が著明に圧迫されている状態がミエログラフィーで確認された。これらのうち4匹を3ケ月から12ケ月の期間で屠殺し、馬尾を神経生理学的、組織学的に検討したところ、馬尾の神経活動電位で著明な障害の存在を明確に証明し得た例は無かった。これは馬尾を一塊として伝導性を観察した方法論に原因があったと考え、本年はさらに細かく観察する予定にしている。組織学的には、障害のある馬尾と正常の組織像を示すものがあり、一定せず、圧迫から逃げている馬尾が存在することが示されていた。神経根誘発電位の術中記録は前年度に引き続き行い、約40神経根の検討を行った。その結果、明らかな神経線維の伝導障害を示す典型的な障害神経根が認められる訳であるが、臨床的に症状ありと認め、除圧により愁訴改善した神経根が正常と考えられる活動電位を示した症例、さらには、L_4神経根記録で腓骨神経刺激で低振幅分裂波形を記録するが、脛骨神経刺激では正常と判断される波形が記録された症例など、理解に苦しむ例も認められた。技術的な問題として極めて微妙な電極先端の位置が波形に大きく影響することが、大きな問題であることは前年度にも述べたところである。以上の結果から、現在、神経根誘発電位が障害根診断に有用であるとの報告が多いが、単純にそのように結論づけるのは、短絡的であると言わねばならないのではないかと考えている。

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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