研究概要 |
1.骨形成不全症のコラーゲンとプロテオグリカンの結合性 骨形成不全枢の骨基質より調整したコラーゲン線維,プロテオグリカン,および両者をin vitroで混合したもの,のそれぞれをルテニウムレッド染色し,電顕によって観察したところ,重度骨形成不全症では,コラーゲン線維に周期的に結合しているプロテオグリカン顆粒のほとんどすべてが除去(正常例の95.2%減)されていることが判明した. この場合,プロテオグリカンの抽出率も増大していることが生化学的にも確認された. この病例の場合でも,in vitroにおいてコラーゲン線維とプロテオグリカンの再結合性が正常例の場合と同様に認められたことや,非脱灰切片におけるosteoidのユラーゲン線維とプロテオグリカン顆粒の結合性が正常に保たれていることが判明したことなどから,重度骨形成不全症では,コラーゲン線維と,周辺のプロテオグリカンなどの非コラーゲン物質との結合に弱さがあり,これがコラーゲンの異常やosteopenyとともに易骨析性の寺因の一つとなっている可能性があることが判明した. 2.骨端軟骨のクレアチンキナーゼ ラットの助軟骨を成長軟骨と静止軟骨に分けて, それぞれのクレアチンキナーゼ値を測定したところ,両者間に差があり, その差は,管状骨軟骨と非管状骨軟骨の間にみられた差と類似していた. このことは,最近発表したachondroplasia 軟骨における結果と比較すると, 短肢をきたす骨系統疾患の病因を考える上で興味ある所見である. 3.骨形成不全症の骨基質グリコサミノグリカン分析 本疾患では,ヒアルロン酸が特異的に対いことが判明した. これは骨細胞の代謝機能の異常の一つをあらわすものと考えられ, 現在培養系においても検索をおこなっている.
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