研究課題/領域番号 |
62480326
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研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
熊沢 光生 山梨医科大学, 医学部, 教授 (10092404)
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研究分担者 |
樫本 温 山梨医科大学, 医学部, 助手 (60152633)
中野 忍 山梨医科大学, 医学部, 講師 (00155780)
真鍋 雅信 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (90114785)
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キーワード | イヌ血液灌流標本 / 筋弛緩薬 / パンクロニウム / ベクロニウム / 陽変力作用 / 陽変時作用 |
研究概要 |
イヌ血液灌流洞房結節・乳頭筋標本を用いて、Pancuronium(以下Pc)とVecuronium(以下Vc)の収縮力と心拍数への影響を検討した。6頭のハロセン麻酔犬で、乳頭筋標本と洞房結節標本を灌流した。PcとVcは生理食塩水で薄め、0、0.01、0.03、0.1、0.3mgずつanterior septal artery(ASA)とright coronary artery(RCA)に注入した。 PcとVcは量依存性に、陽変力・陽変時作用を持っていた。0.01mgでは収縮力(DT)と洞房結節調律数(SAR)への変化率はPcとVc間で有意差がなかった(P<0.05)。0.03mg、0.1mg、0.3mgの両薬剤はDTを量依存的にかつ有意に増した。DTの0.1mg、0.3mgにおけるPcの増加率はVcのそれよりも有意に増した(P<0.05)。SARにおいてもPcはVcよりも増加率が大きかったP<0.05)。 20μgのpropranol はPc・Vc 0.3mgのDTの増加を抑え、30μgのtetrodotoxinはPc・Vcの陽変力作用を抑制した。 以上のことから【○!1】Pc・Vcは共に、交感神経終末よりのnorepinephrineを介して陽変力・陽変時作用を起こす。【○!2】その作用はPcの方がVcよりも大きい。 Vcの方が虚血性心疾患などの麻酔時には勧められる。
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